ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法 小飼 弾(著)

本書は多分5度目ほどの読書になる。本書の内容は読書をする人間からすれば大した内容ではないのだが、読書をする理由を思い出させてくれる。読書の仕方を思い出させてくれる。

およそ私が初めて「読書をした」と言うのは高校生の頃になる。それまで「本の文字を追った」事はあっても「本を読んだ」ことはなかった。それからまた数年以上本を読むことはなかったが、今思い出そうとしてもきっかけはわからないがいつしか読書をするようになっていた。そしていつしか本を読む理由がわからなくなり、「読書」関連の書籍を定期的に買うようになった。

その中の一冊が本書になる。本書もそうだが、良い読書関連の書籍は読書を始めた理由を思い出させてくれる。読書をしている人間からすると新たに学ぶことはない。だが、読書をした結果身についたことを「そうそう」と振り返ることができ、実感として読書することで身につけた事を確認することが出来る。

空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法 (East Press Business)

空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法 (East Press Business)


本書は読書を日常的に行っている人からするとアタリマエのことが書かれたことになる。是非とも、「読書をしない」人に読んで欲しい。本書は読書の重要性を説明するというよりは、「読書の仕方」を説明した書籍になる。

読書をしないあなたにとって「読書術」の書籍など無意味だ。読書をしない人間が読書術の内容を理解できるわけがない。そもそも読書をしないのだから読書術を身につける必要もない。だからこそ本書で読書方をしり、今後どこかのタイミングで読書をする必要が出た時のための知識としておいて欲しい。そうすれば失敗しない読書が出来るはずだ。


例えば以下のようなものがある。

P80.
一字一句を追っていけば、自転車に乗れるようになるノウハウ書などありません。実際に自転車に乗ってみて、ペダルを踏んで、ときどき転んだりしながら、コツを覚えていく。理屈よりも身体で覚えていきます。

P114.
いいノンフィクションほど、非読者に対しても親切です。「あなたは読まなくてもいいですよ」と教えてくれるつくりになっている。だから、「いい本」というのは、それを読むべき人だけでなく、読まなくていい人にとっても「いい本」です。

P134.
自分の意見と真っ向から対立する本を読むこと

これは読書家からすれば当たり前の内容である。だが本を読まない人からすれば、「自分の考えを肯定している本を読む」、「自分に強迫観念を植えつけた本を読む」、「すぐに実践できそうな本を読む」という行動をしようとする。

これらは無意味だ。自分の考えを肯定している本を読んでどうなることか。対立する相手の考えを知り、それと自分の考えを照らしあわせて考える。相手の考えを理解しようとする。そう考える理由を考える。本は「鵜呑みにする」のではなく、「考える」ものなのだ。以前にも書いたが、読書をするということは他人の考えを知ろうとするということなのだ。


いやぁ、読書は素晴らしい。