ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

思考の整理学 外山 滋比古(著)

知り合いに勧められて読んだ。なんせ、その知り合いも勤務先の医者から勧められたとのこと。

薦められるがまま買いに行き奥付を見ると、初版が1986年で現在も重版が重ねられており少し期待が出来る。だが、帯に「100万分突破 東大・京大で一番読まれた本」と書かれており少々不安に思えた。

そして読むとその不安は的中した。おもしろくない。全く面白くない。

思考の整理学 (ちくま文庫)

思考の整理学 (ちくま文庫)


たまにこのような帯がある書籍を読むとすべからく面白くない。大学に入ってから勉強を始めるのかと思えるような書籍ばかりになる。

本書を購入する人は最初の「グライダー」章を立ち読みして購入してしまうのではないかと思える。他に有用な内容はない。


本書は小学生か中学生が読むと学べる点があるのかもしれないが、大学生や、ましてや30近くになって読む本ではない。本書の著者の外山 滋比古を調べてみると「全日本家庭教育研究会元総裁」となっており、まさに教育学者のような人だ。まさに本書は教育真っ最中の人間が読まなければ意味がない。

今までにまともな勉強をしたことがないという方や、これから勉強をしようと思っている方が読むのはいいかもしれない。だが、少しでも勉強してきた人間からすると本書は全く面白くないかと思う。まさにグライダーとして学校教育を読んできた人たちには面白いと感じ、帯の東大生や京大生もそのグライダーであるために本書を読んでいるのかと思う。


本書を読むのであれば「頭にガツンと一撃」を読むのがいい。今まで勉強をしてきた方でもこちらは満足できるかと思う。いや、むしろ勉強してきたからこそ読む必要がある。

こちらは1984年に翻訳されており、本書より先に出版されているが、本書で書かれていること以上のことが書かれている。本書に書かれていることなど数十ページにも満たない分量でそれ以上のことが説明されている。


本書が売れているということは、いかに日本人が勉強をできていないということの現れかと思う。本当に日本は勤勉でなくなり、勤労などでもない。今後はアジアの中でもドンドンと落ちていくだろう。