ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

すべては脳からはじまる 茂木 健一郎(著)

茂木健一郎の出演しているテレビ番組を見る機会があった。そのテレビ番組では「脳学者」や「脳科学者」と紹介されており「脳」や「その機能」について解説していた。

その放送では「誤り」であると思えるような内容が放送されいた。先日に「テレビは危ない」に書いた通り、テレビというのは編集などで歪曲した情報を伝える。そもそもに視聴者の大半が馬鹿であるがために、その馬鹿のためにわかりやすくしてしまい誤った内容が放送されてしまう。

なので茂木健一郎が出演しているいくつかのテレビ番組の録画を集めて見てみたのだが、どれも脳機能学や脳科学としては通用する内容ではなく、放送間で矛盾する内容も発言していた。多くの内容は「科学的」ではなく、根拠のない茂木の意見を話しているだけであった。

ということで茂木健一郎に調べて見ると多数の書籍を出しているようなので5冊ほど購入して読んでみた。


まずは茂木は雑誌でエッセイを執筆していたということなので、そのエッセイの書籍化ということで本書を購入した。他にもこれに続く2冊も購入して読んだがそれは順に記事を書く。


まず本書や他の書籍を読んだ総合的な感想としては「脳科学者」ではないということ。私が思うには「文芸家」とするのが適切ではないだろうか。どのエッセイを読んでも脳については極わずかで、大体が茂木の日記や感想となっている。脳について書かれた内容にも根拠がない。どの内容にも出典も引用もないのだ。

出典元が書かれていないだけでならまだいいが、調べてみても出典元がわからないのだ。茂木のオリジナルだというのであればいいが、茂木自体もそれについて論文を出していない。エッセイを書くために考えた完全なオリジナルだろうか。そうすれば根拠もなく「感想」と言い張ることが出来る。

だが、本書や他の書籍もある程度売れているようなので「作家」としては才能を持っているのかと思う。内容については疑問に思うところが多々あったが、私自体もすらすらと読み進めることの出来る平易な文章であった。なのでこれを考えると「科学者」ではなく「文芸家」と呼ぶのが適切ではないかと思われる。

また、これらに私の考えについて調べて見ると、Wikipediaの茂木健一郎の記事にも同様の内容が書かれている。職業としては自称であろう「脳科学者」と書かれているが、記事の中にはその内容はあまりなく、さらにはWikipedia内に茂木が「脳科学者」と名乗ることについての批判も掲載されている。日本では最も有名であろう脳機能学者の苫米地英人も茂木については意見しているようだ。


このような内容であるため、タイトルの「すべては脳から始まる」につられて「脳の本」かと思って読むと後悔する。先にも書いたが脳についてはほとんど書かれておらず、単なるエッセイ集だ。それを知った上で読めば暇つぶし程度の読み物として読めるかと思う。

これは批判ではない。私も続きでエッセイ集を3冊読んだが、続けて読めるほどに疲れない文章であった。だが逆には考える必要の内容なことがただ書かれた寄せ集めのエッセイ集になるので、暇つぶし以外に何かになるようなことはない。

そもそもにエッセイとはそのようなものであるが、このエッセイのタイトルは少々詐欺っぽいと思えてしまう。