ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

読書は1冊のノートにまとめなさい 100円ノートで確実に頭に落とすインストール・リーディング 奥野 宣之(著)

正直な所、前著の「情報は1冊のノートにまとめなさい」が売れたので、とにかくなにかまとめる対象をひねり出して書いたとしか思えない書籍。

前著は少なくとも「一冊のノートにする」メリットが書かれていたが本書にはそれがない。読書ノートを別に分けるよりかは一冊のノートにまとめることで達成感が味わいやすいとしていることくらいだろうか。

そもそも「読書を一冊にまとめる」のではなく、前著の一冊のノートに読書をまとめるというほうが最適ではないだろうか。タイトルからはそれすらもわかりづらい。

読書は1冊のノートにまとめなさい 100円ノートで確実に頭に落とすインストール・リーディング (Nanaブックス)

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本書の半分以上が「本を読むことのメリット」や「読む本の探し方」、「本の読み方」に当てられていて、最終の30ページは文房具の紹介となっている。ほとんどノートにまとめることは書かれておらず、そのメリットの説明も何もない。

前著を読んだ読書をする方なら自然と本書に書かれている方法お思いつき実践するのではないだろうか。しかも本書には冒頭から納得のいかない点もある。

P2.
だから、本の内容を覚えていない、または内容が頭に入った気がしないことについてずっと前から問題意識を持っていました。

読んだのに残らない。それは、読んでいないとの同じではないか、と。

これは間違いだ。本を読んだからといってそれを覚えていないといけないわけではない。むしろ覚えておこうとするほうが間違えだ。暗記しておこうするなど読書ではない。本を読み素晴らしいと思うことがあれば、それを身につけておくべきなのだ。

例えばあなたは昔に聞いた曲を全て覚えているのだろうか。リストに上げられない曲でも、それを聞いたら思い出して口ずさめるはずだ。

これが身についているということだ。いつでも思い出せる必要はない。きっかけがあることでそれを思い出せれば問題ないのだ。いや、思い出すことが出来なくても、それが身についていることが重要なのだ。

あなた自身、生まれてからこの方で思い出せることなど極わずかだろう。だが、その思い出せない経験の連続が今のあなたを作り出している。今のあなたはその思い出せない経験の連続で出来上がっているのだ。


本書は前著を読んでいれば読む必要のない書籍だろう。

読書は1冊のノートにまとめなさい[完全版]

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