ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

成功は失敗のもと

先に「資格は取ったからこそ勉強をしろ」と言う記事を書いた。今回はそれにも少し関連する内容になる。

世間ではよく「失敗は成功のもと」等といわれている。もちろん私もそれには同意する。

「失敗」とは「それがうまくいかない方法」を知ることであり、それがうまくいかないことを知ると言う意味では成功となり、更にはそのうまくいかない方法で成功に導くことができうる。そういった意味では本質的な「失敗」と言うものはない。

だがそれよりも強調したいのは、「成功は失敗のもと」ということだ。


ではまず、成功と失敗とはなにか。成功とはそれが期待した通りになることで、失敗とは期待した通りにならなかったということだろう。


例として、遠くまで飛ぶ紙飛行機を作りたかったとする。そして、「遠くまで」では距離が曖昧なため、製作者がそれを「50m飛ぶ紙飛行機をつくる」と言う目標に変更した。試行錯誤しながら試していくが、50m飛ばなかった飛行機は失敗だ。

先の内容から、その失敗は「この形状ではうまく飛ばない」との経験であり、その経験から次々と成功するまで別の形状にしていく。また試行錯誤し、失敗を重ねて30回目に51mを飛ぶ飛行機が出来た。これが成功であろう。

だがここで成功したとしてまいうとそれ以上の進歩はないのだ。

たしかに課題としては50mであったので、51m飛ばせたこの紙飛行機は成功だ。

だがもう少し改良していけばもう少し飛ばせるかもしれない。その30回目の飛行機も失敗として先を目指せば50回目で100m飛ぶものが出来たかもしれない。

成功だと思った途端に進歩は止まる。そして「より遠くまで飛ばせる紙飛行機を作る」と言う目的に置いてはそれは失敗となってしまう。


最初はうまくいかずに試行錯誤し、それがうまく行ったということは、更にそれが伸びる可能性は十二分にあるのだ。

挑戦とはそれを限界としてしまったところで終わり、成功としてしまったところで歩みを止める。

だからこそ挑戦に成功はなく、成功と思えることは次へのスタートでしか無い。そのスタートのゴールも次のスタートでしかなく、挑戦は永遠と続く。挑戦とはそういうものだ。

何事もそれが成功だとは思わずに、次々と進歩させていくことが重要なのだ。


先の資格試験にしても「合格」したから終わりなのではなく、合格したからこそその知識を維持すべく、その知識を発展すべく勉強に励まないとならないのだ。

医者が医大を卒業したその知識だけで手術をすることの怖さはわかるだろう。実際に経験し、それを学習に活かしてドンドンと知識をつけていく。それに終わりはない。だからこそ名医と言うものが出来上がるのではないだろうか。学校で学んだものだけが知識であれば全ての医者は同じものになる。自分から勉強し、挑戦し、現在もそれを続ける医者だからこそ進歩していくのだ。


失敗は怖いものではない。成功と思う事こそが恐れるべきものだ。