ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

インターネットでは調べられない

世間では本当に本を読まない人が増えている。

私も本を読み始めたのは最近になるので人のことは言えないが、私が高校生の頃なんかに比べると本当に少なくなっていると気がつく。その当時でも、それより以前に比べると少なくなっているとかんじていた人も多くいるだろう。

私が高校の頃は電車通学であったので電車の中の人の行動をよく覚えている。朝はラッシュになるため目の前は人の頭で両手は完全に動かせない状態だが、帰りの電車の中ではサラリーマンやOLが本を読んでいるのを多く見かけた。

だが最近は一車両に本を読んでいる人はよくても数人であろう。皆無という時も珍しくない。その代わりにスマートフォンをいじっている人は半数以上となり、時間帯によってはほぼ100%となる。

たしかに私が高校生の頃にも携帯電話をいじくっている人はいたがあまり多くはなかった。携帯電話を持っている人でも本を読んでいたが、今ではスマートフォンを持っている人は大半がそのスマートフォンをいじくっている。私が高校の頃には携帯ゲーム機で遊んでいる人など皆無であったが、最近ではおっさんやおばはんも電車の中で携帯ゲーム機で遊んでいる。

その時に読んでいないとしても、鞄の中に本を入れている人は1割にも満たないのではないだろうか。

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そんな私は「本を読め」と口酸っぱくして伝えているが、普段から本を読まない人は「なぜ本を読む必要があるのか」と質問してくる始末だ。

「私は本ではなくスマートフォンで調べ物をしたり文章を読んだりしている。本など読まなくても知識はある。」と言う人も多くいる。


ではなぜ、本ではなくインターネットを使うのか聞くと、「簡単に調べられるから」や「無料だから」、「色々な情報があるから」と言う。

これらは全て馬鹿な答えだ。馬鹿な人間だからこんな馬鹿なことに気が付かないかもしれないが、インターネットというものに騙されている人間の典型的な答えだろう。


インターネットで本当の情報を見つける事は非常に難しい。インターネットで調べて出てくる情報は、99%かそれ以上は2次情報や3次情報、果ては4次や5次、10次や3桁次情報も現実的にある。それはもう出典がなにがなんだかわからない情報となっている。

例えばあなたが調べたつもりになっている情報は、それが本当に正しい情報であるかというのはどこまで調べているのだろうか。

ブログに書かれている情報をそのまま信じて調べたつもりになっていないだろうか。所詮ブログなどは何の責任もなく、あやふやな内容を、あやふやな記憶のままに、あやふやな知識のままに、あやふやな情報を元に書いているだけだ。

一次情報とは真逆な内容となっているものも一般的にある。その真逆な内容をベースとしてその真逆の内容を伝えるブログもあるなど、二転三転どころの情報ではなく、一次情報とは全く関係のない根拠のないものだ。

例えばそのブログを書いている人は、何かしらのニュースを見てその感想を書いているかもしれない。感想というのはその個人が認識した内容について自分の所見を書いているだけのなのだから、その記事に元のニュースの内容は含められておらず、歪曲して伝えられる。そのブログを見た人が元のニュースを確認せずに更に別の記事を書くということが平然と繰り返されているがインターネットだ。

何かを調べようとした時に、同じことについて書かれた記事を何十、何百と見つけた経験は多々あるだろう。


さらにその「ニュース」と言われるものも一次情報とは限らない。英語のニュースや論文などを参考に書かれているものも多く、そのニュースや論文も他のニュースや論文をベースとされているものも多い。

こうなると伝言ゲームで、元の情報が残っている方が少ないと言うのは単純にわかるだろう。

これがもしわからないであれば、次に何かを調べた時にそれが本当の情報か一次情報まで探してほしい。いかにそれが難しいわかるはずだ。

そんな情報がなぜ信頼できる情報と言えるのか。なぜそれで調べたと言えるのか考えてほしい。


これでわかったと思うが、インターネットにあるのは「色々な情報」ではなく「多種多様な人の偏見のコレクション」だ。感想集を読みたいのであればインターネットほど優れたものはないが、何かを調べるということには決して向かないツールになる。

もちろんインターネット上にも色々なサービスが展開されているが、それらが有用なツールであればそれは無料ではないだろう。

有用な情報は様々な検証が必要になるゆえに、多くの人手が必要となりコストがかかる。だからこそ有料にしなければ維持することが出来ない。新聞のインターネット購読を考えてもわかりやすいだろう。

数行の簡単なニュースは無料で閲覧ができるが、それ以上の詳しい情報となれば有料会員限定となる。

無料情報はそれ相応の無料相当の情報がほとんどになるのだ。

残念なことだが、Wikipediaにしても間違いだらけだ。例えば以前に私に関連する記事が書かれたことがあったが、それは完全に間違いだらけで、どこでそんな嘘を見つけてきたんだと思われるような内容まで書かれていた。所詮検証のないメディアはその程度の情報しかのらず、その検証はされていないのだ。


このような情報を信じて「調べている」と思い込んでいるのだから「本を読めない馬鹿」なのかと思うが、このインターネットの怖さというものはもっと深く理解しておかなければならない。

だからこそ私はインターネットの免許制を望んでいる。