ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

ランニングが体に悪いんだってよ

アホじゃねーの。マジで。マジで。何考えてんだよ。

私は今までに「運動をしない人は仕事もできない」や他の記事でもとにかく運動をしろと言って来た。「仕事が出来るようになりたい」や「言ったことをやれるようになりたい」と言う人にも運動をしろとアドバイスしてきたし、とにかく運動をしろとはそこらじゅうで言ってきている気がする。

運動とは腕立てでも水泳でもなんでもいいが、私は「外に出る」や「夏は暑く冬は寒い」、「道具がいらない」、「出張先でもどこでも出来る」など、様々な事を感がえて「ランニング」と例にすることが多い。ランニングなら、特別に時間をつくらなくても会社から家までなり、駅から家までなり日常生活の時間に埋め込むことも出来る。

もちろん私が今までにランニングを進めてきた中で、今現在もランニングを続けている人を私は知らない。最初は「やってます」と報告があるが、まぁ2週間もすれば報告がなくなる。まぁそんな人間だから仕事が出来ないし、言ったことをやらないのだが、それでそれを再確認できたのならよしとするべきだ。

とにかく自分は仕事が出来ないし、言ったこともやれない人間だと理解して生きていけば良い。


そんなこんなで先日、過去にランニングを薦めた人とたまたま話す機会があった。もちろんそいつもランニングは継続していない。

そこでたまたまランニングの話になった。私は一度薦めてそれをやらなかった人には二度はあまり薦めないので本当にたまたまだ。


そこでそいつが「ランニングは体に悪いからやめた」と言い始めた。およそ、ランニングをやっている最中にそれを聞いたのではなく、ランニングをやめてからそれを聞いたんだろう。ランニングをしている最中にそれを聞いていればそれについて私に質問してきたはずだ。

そして、「どうしてどこが身体に悪いのか?」と質問するとあやふやな返事だ。そしてスマートフォンをいじり始めて調べ始めた・


どうやらWIREDの「ランニングは体に悪い!?:研究結果」が原因のようだ。その記事を読んだ人間からそれについて聞いたのかもしれない。

私も医学やら身体構造やらを色々と勉強したので興味深く読もうと思ったが、こんなにバカバカしい記事も珍しい。WIREDは世間のニュースサイトに比べるとまともな記事を出しているかと思っていたが間違いだったのだろうか。翻訳者の「TAKESHI OTOSHI」なる人がランニング嫌いのためにわざとこのような記事を作ったのかはわからないが、タイトルが少し曲がっている。

まずはその記事を自分で読んでほしい。


まぁほとんどの人はタイトルと数行を読み、後の記事を読まなかったのではないだろうか。数行以降も、2ページ目も読み、きちんと理解すればタイトルが間違っていることがわかる。

ベース記事とされているのは「One Running Shoe in the Grave」だ。これはタイトルを読めばわかるが、原題は「一つのランニングシューズは墓場の中に」だろうか。全く違う。体調なんかには触れられたタイトルではない。

日本語訳するに当たり記事を見てもらうためにわざとそのようなタイトルにしたのかはわからないが、「身体に悪い!?研究結果」と言うタイトルをみれば「身体に悪いという研究結果が出た」とパット見思ってしまうのではないだろうか。私自身も「どんな方法で研究したらそうなったのか」と思い興味を持って読んだが、私のような知識がある人間でなければそれはなおさらかと思う。


本来の記事では「初老がほぼ毎日速いスピードで週に40キロ走る人(意訳)」と言う記述があるが、翻訳記事ではこれらの一部がバラバラにされていたり、関連性を持たないように書かれたりしている。この元の記事に当てはまる人を考えると、「ほぼ毎日7キロを30分で走る初老(意訳)」となる。その初老は、運動しない人と同じようなリスクを負う可能性があるとされているだけだ。

毎日30分だけ走るということはその人はきっと他の運動もしているだろうがそれらには触れられていない。単に、ハードなランニングをする人は心筋梗塞などの心臓病を患う可能性があるということで帰着している。

そして何よりこの記事で重要なのは、「ハードなランニングをする人が心臓病のリスクが高まる」ということではなく、「週に数回、適度なランニングをする人は死亡率が19%低くなる」と言うことではないだろうか。その結果を無視して、ハードな人間を対象に死亡率が高まるというのは少しおかしな記事に感じてしまう。

どんなことでも「やり過ぎ」は身体に悪いことはわかるだろう。例えるなら、適度に食事することはもちろん必要だが、食べ過ぎることは身体に悪い。というようなものだ。過ぎるのは何にしても良くない。


そしてこれはまさに先日書いた「インターネットでは調べられない」の内容になる。翻訳されたことで元の記事が歪曲し、更にその元となった記事も研究結果のピックアップ方法がおかしい。元の研究結果を見てここが判断したのであればまだしも、インターネットのニュースとはこのようにして操作されて配信されているのだ。

この記事もきっとそうなるので元の研究結果を見て各々で判断してほしい。


そしてそして、このようにその記事の内容をきちんと説明し、私が言っているような週に3回から4回、10キロ程度を走るランニングならむしろ身体にいいことがこの研究でも明らかになっていると説明した。

するとここでもまた言い訳してきた。

「膝は消耗品なのでランニングで無駄に消耗するのは将来が心配だ。膝が悪くなるのは嫌だ。」

呆れてものも言えない。これは誰から聞いたのかわからないが、この考えの頭のおかしさがわかるだろうか。人間の体で消耗品でない部位など無い。全ての部位(パーツ)は生まれてから成長し劣化していく。膝以外が消耗品でなければ人は歩けなくなっても死ぬことはないだろう。

これも例えるなら、「歯は消耗品で、食べると摩耗するので物は食べないほうが良い」と言っているのと同じだ。確かに食べ物を食べることによって歯は摩耗する。だが、歯を消耗するほどに食べ物を食べることなど無い。特に現代の食事に置いて摩耗することはかなり少ない。そして逆に、人間は食べ物を咀嚼し、アゴや周辺の筋肉を使うことで脳を活性化させることは研究として明らかになっている。食べなければ摩耗しないが、食べないことによって人間は心身ともに疲弊していくのだ。

これは膝も同じだ。膝が消耗するからと歩かなければ周辺の筋肉が使われずに衰えていく。足は血流のポンプの役目もしているので足に血が貯まる、老廃物が貯まる、無理に血流を増やそうと心臓に負担がかかる。と、膝の消耗を守るために体全体に負担がかかる。そしてその守るべき膝は本来の役がたたないようになってしまう。

普段から歩いているつもりでも現代人は慢性的な運動不足だ。多少ハードな運動をして丁度いい程度になる。


そしてその「膝は消耗品」と言うのもどのような医学的知識を持ってそう発言しているのかが気になる。

例えば膝に関連する筋肉にどのようなものがあるかわかっているのか?膝がどのような構造になっているのかわかっているのか?そもそもに膝が消耗するとは、膝の摩擦係数がどれほど低いものかわかっているのか?

もちろんそれらの知識がないからこそそのような発言が出るのだろうが、きちんとした知識を持っていないことはそれほど馬鹿なことを言っているのと同じことなのだ。

例えばランニングをするよりも、ハイヒールを履いて生活している方がどれほど膝に負担がかかるわかっているのだろうか?


知識がないとは恐ろしいことだ。