ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

ミスコピーの裏を使うな

世間ではエコだのなんだのと再利用やリサイクルなどと分けのわからないことが多く叫ばれている。エコと言いつつ、電力消費量を下げるためにより複雑な構造になり、それによってより多くの資源を使い、レアメタルなどの貴金属も多く使われたりしている。

笑うに笑えない。一体それを作るためにどれだけの環境負荷がかかっているのか考えたことがあるのだろうか。エコ製品を使うよりも、従来の製品を使ったほうが総使用電力や、総環境負荷が低いことなど日常茶飯事だ。

こんなことも考えられないバカが自然を破壊し、環境を汚染しているという事がわかっていないのであろう。バカは何も考えないで欲しい。

そして何より、恥の美学により、それらの人々は自分が「エコ製品」を利用していることをアピールしたいだけであろう。

コピー用紙の裏は使うな!―コスト削減の真実 (朝日新書 37)

コピー用紙の裏は使うな!―コスト削減の真実 (朝日新書 37)


このエコに関連して企業で話題に上がるのがコストの削減になろう。「エコ」=「利用品目が少ない」=「コスト削減」というわけのわからない三段論法から湧いてきた考えかとは思うが、例えば「確認用のプリントはミスコピーの裏を使う」「メモはミスコピーを切って使う」のような完全に間違った考えがコストの削減と結びついてしまっている。

残念ながらミスコピーの裏を使うことはコスト削減にはならず、むしろコストを増やしていることになる。

バカは放っておいてもいいとおもうのだが、私のように心から優しい菩薩のような人間だから記事にしておくことにしよう。


まずミスコピーや不要なプリントを回収する箱をコピー機の横に置いている会社は多いだろう。私もこのような会社をたまに見かける。だがその箱はなかなか整理されずに乱雑に散らかっていないだろうか。整理されていたとしても、それは総務などの役割が決まった人たちによって片付けられているか、「整理して入れる」と言う事がルールになっているからではないだろうか。

まずその箱についてだ。これにはその箱を置いておくことでミスコピーを保存する場所としてのコストがかかっているということを理解しているだろうか。狭いスペースに考えているかもしれないが、1平方メートルを占有するだけでも、そのスペースの賃料をミスコピーの保存に支払っているのと同じになる。

1平方メートルあれば小さな作業スペースもできる。作業スペースであれば利益を生み出すことになるが、ミスコピーの山はなんの利益も生み出さない。そのスペースをコピーの整理スペースにしたほうがよっぽど効果的なコスト削減になる。


そしてその箱を管理する人間の雇用コストだ。ミスコピーが数百枚集まると整頓してコピー機に入れるのだろうが、その作業にもコストがかかっている。

単純に考えてもらえればわかるかと思うが、その箱から取り出した紙の表裏を確認し揃える。折り曲がったものや汚れたものがあれば取り除く。ホッチキスで止められたものがあれば取り外す。等、様々な時間がかかっている。考えやすくするためにミスコピーを500枚と考えるとすると、それだけの枚数があれば少なくとも10分程度はかかるだろう。もしここで大雑把なことをしてしまってはまた別のコストがかかってしまう。

管理者の給与が20万円だとすると会社の雇用コストは25万円ほどになる。そうすると10分のコストは230円となる。今時コピー用紙は安いものなら500枚を200円や300円で購入できるので、コストはトントンだ。管理者だけのコストでもとんとんなので、そのミスコピーを箱に入れる人間のコストなどを考えると完全なマイナスになってしまう。コストを削減しようとして余計なコストがかかっているのだ。

さらには表裏の整頓ができていない紙が混入していたりすればコピー者の負担が増えるし、折り曲がった紙や、ホッチキスが混入してコピー機が故障したりすればそのコストはミスコピー1年以上分にも軽くなるだろう。紙づまりなんかだかでも数十分のロスになることがあり、その間に起きる業務の損失などや、そのリスクを考えてもミスコピーを再利用することはコスト、人件費、リスクも高めてしまうこととなってしまう。

また、コピーした面を取り違えてしまうと、必要な書類と不要な書類を誤って判断してしまうことにもつながるだろう。


これはミスコピーをメモ用紙にしていることも同じになる。不要になったコピーをメモ用紙サイズに小さく裁断し閉じることに人件費がかかってしまう。そのメモの特性上を社外に出すことが許されていないのであれば、持ち出すメモは別のメモに取るなど、運用コストも無駄にかかる。外に持ち出すときはメモを移すなども無駄な時間だ。

コピーを裁断せずにメモに使っている方も見たことがあるが、それは不要なコピーなのかメモなのか判断がつきづらい上に、他の書類と混ざってしまった際に探す手間や、誤って処分してしまうリスクなども同時に発生し、これもコストとリスクを無駄に高める結果となっている。


このように、たとえミスコピーをメモに使うというだけでもコストに換算するとそれを新たに購入するよりも高いコストとリスクがかかってしまうことになってしまっている。

こんなことも考えられない奴はそもそもコスト削減など無理な話だ。コスト削減というのはこのような細かいことも俯瞰的にむることのできる人間にしかできないだろう。