ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

会社解散の経緯

最初の記事に書いたとおり会社が解散することになった。

ホームレス中学生

ホームレス中学生

今の会社で働くことになった経緯

まず今の会社で働くことになった経緯から記録として残しておく。

2年ほど前になるが、失業手当を貰いながら職を探していた時期にたまたま前の会社の取引先の社長(以下、O社長)とご飯を食べることになった。これは本当にたまたまで、別の取引先の社長に呼ばれてご飯を食べていたら、そこにO社長も呼ばれていたという感じ。

そこでO社長に1年以上ぶりに会ったのだが早々に、

O社長
「今何してるの?」
「今は何も」
O社長
「雇うよ」

という1往復半の会話で一緒に働かせて頂けることになった。

それから何度か打合せをしている中で、「今の会社では好きなことができないから新しく会社を立ち上げる。そこでやろう。」という内容になり、2012年初旬に株式会社を立ちあげ私は入社した。このようにトントン話で会社の立ち上げと入社が決まったので、本来確認しなければならない部分がかなり漏れていた。会社立ち上げ前からかなり厳しい業務が入っていたので、それに切羽詰まっていて漏れてしまったのかもしれない。

その時からこの解散へのカウントダウンは始まっていた

というのもまず、私が入社する前に準備しておいてもらえるというお話であったPCが直前になって準備されていなかったことがわかった。PCだけではなく必要な機材が何も準備されていない。インターネット契約すらされていない。機材の選定は私が行ったが、先の通り私は別の業務を言い渡されていたため、事務所準備を含めて全てをO社長にお任せしていた。だが、直前の確認で何も準備されていないことがわかった。これでは入社したとしても何も業務が行えない。実際、入社後2日間は事務所の掃除に当てられた。

これはとりあえず自分のPCを持ち込むことで解決できたが、すぐに次の問題が起こった。

入社後2週間かけた作業がいきなり無駄に

会社設立時から財務管理をオープンにするという事で、請求管理サービスに申し込むという事が言い渡された。請求管理サービスにはHTML/CSSで制作を行った請求書のフォーマットの作成が必要になり、最初の業務はそれとなった。そしてそのフォーマットを2週間ほど掛けて準備したにも関わらず「とりあえず当面は手元で管理する」ということに何の予告もなく変更。いきなり2週間の作業が無駄になった。

話を聞いてみると、この請求管理サービスが有料であることを知らなかったようだ。2人の社員が2週間かけた挙句、年額2万円を払うのを渋るために中止となったのだ。

もう一人の社員

請求書フォーマットの準備に2週間はかかり過ぎかと思うかもしれないが、もう一人の社員(デザイナ)がまずかった。会社設立前に打合せは何度も行ったが他に社員を雇うことを聞いていなかったし、デザイナの希望を聞かれた際には理想の人物像を伝えていた。

だがこのデザイナはO社長の会社で働いていた契約社員を契約期間満了のためそのまま連れてきたという人間。その会社ではデータの入力をやっていたという事で、Webサイトを作ったこともなければデザインをしたこともない。さらに、Webというものがどういうものかもわかっていなかったので、インターネットの仕組みからメールアドレスの設定方法、HTML/CSSの書き方など全てについて端から説明する必要があり時間がかかる。仕事も勉強も自宅ではしないということを宣言するような人間なので全て就業時間中に説明する必要があり自分の仕事も進まず難儀した。

ちなみにこれは1年以上たった現在でも変わっていない。つい先週もPhotoshopチュートリアルを1週間掛けてやっていた。

O社長との打合せ

デザイナがこのような状態なのでなんせ時間がかかる。しかも設立当初から事務所に社長がこない。週に1度ほどきては1時間程度の打合せをしておしまい。他は連絡すら取れない。O社長は私が前に働いていた会社の取引先の社長という事を書いたが、当時からこのような感じは見受けられたがここまでとは考えてもいなかった。

ここまでとは思っていなかったが連絡が取れないことは想定していたため、会社設立と入社に伴い、条件とまではいかないが

  • 私は前の会社を、社長が言ったことを何の説明も無しにころころ変更することを理由に辞めた
  • O社長も前の会社の取引していた際に同じような傾向があったので、言ったことはやってほしい
  • 社長/経営者という責任上判断が変わることはあると思うが、判断が変わったのであればそれを伝えて欲しい

ということは何度も伝えていた。

これは前の会社で経験したことだが、「○○をする」ということを社長より聞いた時点でそれについての準備が必要になる。たとえば「iPhoneアプリを作って販売する」となれば、iPhoneを準備したりiOSプログラミングの勉強、普及しているアプリの操作性やアプリの売上の調査などをしなければならないし、AppleStoreの規約なども確認しておかなければならない。そうしておかなければ、実際にアプリケーションを製作するとなったときに「出来ること、出来ないこと」の判断ができない上に、アプリケーションの打合せに入った時にスムースに打合せを進めることができない。なので、社長の考えには常に耳を傾けてそれを前提に準備しておく必要があると考えていた。

なので、このように「○○をする」と言われた時点でいろいろな準備作業が入る。その量が膨大なことが多々あるため就業時間では行えずに自宅での調査や休日に調査を行う必要もある。そうして長ければ数週間かけて準備したにも関わらず、「それはもう考えていない、やっぱり○○にする。」などとなると、それまで行った準備が全て無駄になる。これが経営判断として必要なものなのであれば仕方がないかとは思うが、「それはもう考えていない」のであれば、考えが変わった時点でそのことを伝えて欲しい。そうしなければ必要なくなっているにも関わらず準備を続けることになってしまう。

と言う考えから、私が当時働いていた会社の社長とは考えが合わず辞めた。その傾向がO社長にもあったため入念にお伝えしていたのだが理解して頂けていなかったようだ。

話が脱線してしまったが、こういったお話をした上で入社したにも関わらずいきなり裏切られた。

営業がいない

初期の打合せで「各社員を役割分担し、各社員は自分の作業だけに集中するようにする。」ということになり、

O社長 経営、営業
デザイナ Webサイトデザイン
Webサイト制作、プログラミング

という役割が決まっていた。

これの通りO社長が営業を兼ねているにも関わらず仕事を取ってきてもらえない。営業に出ている気配もない。

Web制作の案件が入ったとしても、O社長の取引先や知り合いの会社のWebサイト制作が入る程度。知り合いだからという理由で打合せもきちんとされておらず、意見の食い違いの為か、Webサイトの制作途中や制作終了後に案件が無くなることが何度もあり、制作に2ヶ月ほどかかったにも関わらず制作費が20万円ほどだったりする状態。会社設立から1年弱経過しても売上は200万円ほどしか無かった。

二人の社員の給与だけを考えたとしても赤字になる。(給与は手取り11万円ほど。)

実質的な解散予告

設立より1年弱がこのような状態でたってしまったため、これではいけないと私から経営に関する問題を指摘。そうすると年末の会議にて「来年は800万円の売上がなかったら会社を解散する」と急な宣言。会社解散は正直仕方がないと思うが、その売上目標額の根拠がない。根拠を聞いてもそのくらいが妥当と考えていると言う返事しか貰えない。

営業には動かないO社長

その売上目標を設定することでO社長が営業に動き始めるのかとも思ったがそうではなかった。

年初に1ヶ月弱の作業で80万円のサイト制作の案件が入ったかと思えば、これもO社長の友達の会社のWebサイト制作で何の打合せもなく額も決まっていた。内容が変更になり続けた上に(3度全てを作りなおした)、デザイナがスマートフォンや携帯電話のWebサイトのデザインの勉強をするという事で制作に4ヶ月かけたが、最終的に制作が延期になり未だ制作が出来ていない。ということは4ヶ月かけたにも関わらず1円の利益にもならなかった。しかも80万円入った所で経費を考えると赤字になる。

売上0円

なので4月になった時点で4ヶ月間の制作売上は0円、サーバやドメイン更新の手数料として数万円の売上があるのみ。

これでは800万円の売上目標も厳しい為売上計画をO社長に請求したが出てこない。4月から何度も請求したにも関わらず、売上計画を貰ったのは6月末。請求から3ヶ月後。その計画も単なる「これくらいの売上が欲しいな」という内容で売上目標にはなっていない。営業計画も全く入っていない。

事務所にこないO社長

これではまずいとメールにて具体的な営業計画を確認するとぱったり来なくなった。2週間来なかった。

解散宣言

そして昨日急に来て「売上が実現できそうにないので2月末に解散する」というお言葉。

全くやる気が感じられない。私もあまりのことに脱力した。

売上が厳しくなれば、その売り上げを実現するための方法を考えるべきではないかと思うのだが解散に決めたようだ。そのことを指摘すると、「なら、一応今入っている仕事で売り上げを考えよう」と言うお返事。解散を前提にしていることには何もかわりなかった。

以上が弊社解散までの流れ。

まだ解散とはなっていないが確実に解散になるかとは思う。

かなり愚痴のようになったが、これは私の責任も大きい。

  • O社長の就業状態がわかっていたにも関わらず会社設立と入社を決めたこと
  • 売り上げのない状態が1年あったにも関わらず、O社長に任せ続けたこと

この2点については全て私の責任になる。自分が営業に異動するなど会社の利益のために出来ることは多々あったかと思うがそれをしなかった。

後悔は先には立たないが、この後悔を後の人生に活かしていくのがO社長のもとで働いて勉強になったことかと思う。

最後まで愚痴のようだがO社長が経営しているもう1つの会社も同じような状況の様子。給料の未払いで現在の社員は一人しか残っていなかった。給料が出ているだけ私は幸せなのかもしれない。

「解散・清算の実務」完全解説―法律・会計・税務のすべて― (第3版)

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会社の解散・清算の法人税務 四訂版

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