ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

君がオヤジになる前に 堀江 貴文(著)

最近は素晴らしい本を連続で読めている。この本も素晴らしく感動できた。タイトルには「君がオヤジになる前に」と書かれているが、これは年齢的なオヤジではなく、思考停止したオヤジになる前にという意図になっている。内容は年齢別の相談者に対して、堀江貴文がコメントするというもの。"38歳の僕へ"では、堀江貴文自信のことについて書かれている。

今までに堀江貴文の本は何冊か読んだことがあるが、それらの内容も踏まえて堀江貴文の考えは正しく思えている。私の周りでは堀江貴文の事を悪く思っている人間がいるが、それらの考えは全て堀江貴文が敵に回した企業の数々が出した歪曲したニュースを鵜呑みにした結果であり、本書はそういった人間を否定する内容になっている。
ホリエモン(堀江貴文)の考えを理解できない人間を否定しているのではなく、そのように、人に言われたことを事実関係も調べもせず鵜呑みにするような人間を否定している。

事実を調べようとすることは非常に簡単で、インターネットで調べればいろいろな事実が提示されている。ただし、それらも結局は他人が発信している情報なのでそれらをどれも鵜呑みにしてはいけない。調べた結果、それらの情報から自分で考え判断しなければならない。

たったこれだけのこともしないで、人に言われたことを鵜呑みにする、人に言われたまま生活する人生の何が楽しいことか。本当に私の周りにも調べたら簡単にわかることすら調べないで、その間違いを指摘すると「テレビではそう言ってた」と怒り出す人間までいる始末。本当に馬鹿らしく思える。

つい昨日も知人と話している中で、「2chのトリップとは何か」「ペンタブレットはどこで買えるのか」と聞かれたが、その質問の単語で自分で調べもせず、人に聞いて回答を得ようとする根性がわからない。人に聞く前に、疑問に思った時点で、疑問に思った単語で、調べればすぐに解決できたはず。なぜ他人に手間をかけて自分の手間を惜しむのか。回答を伝えることは簡単だが、そこで回答してしまうと次にもまた同じように聞かれてしまう。なので私は「自分で調べろ」と言うだけで答えることはないのだが、「ケチ」「ひどい」「なんでそんなことも教えてくれないのか」と、自分の全くしていない努力を棚にあげて加害者扱いされてしまう。

この記事ですら私の感じたことを書いているだけなので、他の人がこの本を読めば全く違う感想なのはあたり前。むしろ同じ感想を抱けると思っている方がおかしい。なのでこの本を読んで自分で感じて欲しい。そして、私の考えと自分の考えを比べて欲しい。違いがあればコメントしてくれてもうれしい。そうやってまた別の人の意見を聞くことも、考え直すきっかけにもなる。

君がオヤジになる前に

君がオヤジになる前に


いつも読書感想文は引用ばかりしているが、この本にはさらに引用したい箇所が多くある。だが、今までの感想文に書いた書籍以上に読み手で感想が変わる本かと思うので本書の主題とは別の箇所の引用を少量に収めることにする。

P84.
僕の本を買う時も、「書店を5軒探しまわったけど売り切れていて、6軒目で買いました」と報告してくれる読者がいる。買ってくれたという事実はとても有難いことだが、その行動は理解できない。"指名買い"ならアマゾンで注文すれば即日発送してくれるものを、なぜわざわざ何軒もの書店巡りをしたのか? その時間で、どれだけの仕事をこなして稼げただろう。

これを報告した人はそこまで堀江貴文の本を読みたかったのかもしれない。Amazonで注文すれば届くまでに配送時間がかかるため、その時間が惜しまれるほど速く読みたかったのかもしれない。だが、効率を忘れてしまっては人生を無駄にしているのと同じ。そんなことを言いたいのだと思う。どれだけ努力をしたとしても結果が同じなら効率がいいほうを選ぶべきだ。また、わざと非効率なことをして「自分の努力」を人に褒めてもらいたいと思っている人もいるようなので注意が必要。

P114.
例えば社外からの発注だけではなく、社内でも利益を生み出す発送も必要だ。ライブドア時代、僕は「管理部も稼ぎを産み出せ!」と命じていた。それで社内コンビニを設置して、社員にサービスを提供した。自動販売機も置いて、社員に利用させた。自動販売機は1台につき、月10万円は稼いでいたと思う。社員サービスの対価としては、なかなかの利益だったと思う。

これは非常に素晴らしい考えだと思った。管理部門は社内の情報などを管理するのが仕事のため直接的な利益に貢献することはできない。だからといってそれに甘んじて何もしないのではなく、社内でできることを探してそこから利益を生み出す方法を考えればいい。そうすることで、社内で切磋琢磨して利益を生み出すことを考えることができ、また、管理部門としても利益を上げれば直接的な昇給につなげることができる。こういった行動をしていかなければ管理部門の人間は日々のルーティン作業をこなしていればいいだけの人間になってしまい、この本の主題である「オヤジ」になってしまう。

P117.
以前、僕が自分の会社の社員に対して「クリアファイルや鉛筆は買うな、もらってこい」と命じたのを、世間にバッシングされた。堀江はなんてけちな奴なんだ!と。大きなお世話だとは思うけど・・・バッシングした方は、そもそもの間違いに気づいていない。僕は必要な経費を渋っているわけではないのだ。会社の金は、自分の金ではないのだから、大事に使わなくてはいけないと言いたいのだ。
会社の金は、基本的に株主など他人のものであって、社員が自由に浪費していいものではない。人さまのものなのだから、もっと考えて使いなさいという教育をしていただけなのだが、間違っているのか? それは世の中の道徳観とは違うのか?

上の内容にも関わることがだ、利益を考えることも大事だが、いかに経費を節約するかも考えなければならない。1万円の経費を削減したとすれば、1万円の利益を出したとも考えるべきだ。
調べるのがめんどくさいことや、自分の金じゃないから高くても気にしないという考えで、世間一般の会社では本当に無駄に経費が使われているように感じる。

今現在所属している会社でもこの点については私はかなり指摘していた。ただし、この考えを持っていない人間に何度同じ事を言っても実行されず、経費の削減という事を理解してもらうことは出来なかった。

P115.
経営にはコストダウンも必要だ。
それほど難しいことでもない。社員に携帯電話をもたせている会社もあるようだが、驚いてしまう。そんなもの、今すごやめてしまうといい。無駄な経費だ。
そもそも、仕事の話を電話で済ませるのは、危険だ。言ったことを忘れる可能性があるし、電話している間は他のことが何もできない。他人の貴重な時間に割り込んでくる、あんなに乱暴な連絡手段はないと思う。

今までも何度も書いているが、本当に携帯電話は邪魔になるしこの理由も正しいと思う。私も社内のやり取りは記録に残しておく必要があるという事で電話ではなくメールで送ってもらうようにしていた。メールでは記録が残っているため社内の引継ぎも迅速に行える。今現在の会社解雇の手続きも電話ではなあなあになっていたかもしれないが、メールで記録に残しているため、後々揉めた際の証拠にも出来る。


かなり私情が入った引用になるが、このようにいろいろな人が経験している内容が書かれているので、この引用に共感出来なくても、他の箇所で共感できる箇所はあるかと思う。

君がオヤジになる前に

君がオヤジになる前に