寄附やボランティアという意識が低いと思う
日本以外を知らないので「日本人は」とは私は言い切ることができないが、私が思うにも、数字を見ても「日本人は寄附やボランティアについて」意識が低いと思う。
前の記事でも「ユニセフにしてもNPOにしても活動費用はいるよ」を書いたが、この問題も「寄附やボランティア」の意識が低く、構造を把握していない人が多くいるということが原因になるかと思う。
まず、この記事を読んでいる人に「寄付」をしている人はどれくらいいるだろうか?自分の収入の10%以上を寄附に回している人間はほぼ皆無かと思う。
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まず、簡単に資料が見つかるアメリカと比較して欲しい。
日本 | アメリカ | |
個人 | 2189億円 | 22兆9920億円 |
法人 | 5092億円 | 1兆5255億円 |
合計 | 7281億円 | 24兆5174億円 |
(2002年 http://www.setsuyaku-lifeplan.com/child/08/0314.htmlより引用。)
日本の人口を1.2億人、アメリカの人口を3.1億人と考えても、アメリカは人口は2.6倍しかいないが33.6倍の寄付金がされていることがわかる。しかも法人からではなく個人からの寄附が多い。
この数字から見ても「日本人は寄附をしない」。上で問うた通り寄附をしている人はいるだろうか?大半の人が寄附の経験を学生時代の色付羽根募金やコンビニのおつりを寄附する程度になるかと思う。他に寄付するとしても街角での募金活動に寄付する程度。寄付を行いたい団体を探して自らの活動として振り込んでいる人間がどれほどいるだろか。
Wikipediaにしても、年に数回寄付金の募集を見たことがあると思うが、あれに寄付した人間がどれだけいるだろうか?寄付金の募集を知っているのに、寄附をしていない人が大半になるかと思う。寄附の募集を知っているというのは、Wikipediaを利用していることは確実になるが、その自分がお世話になっているWebサイトにも寄附をしない。
自分が利用しそこから利益を得ているにも関わらず、それに対して活動の支援をしないのだ。自分が寄附し支援していないにも関わらず、Wikipediaにトラブルがあれば文句を言うだろう。閉鎖になれば不平不満を述べるだろう。実際にWikipediaは今までにも何度か閉鎖の危機に直面している。
それがあることが当たり前だと感じ、それを無料だと思い込んでいる。無料だと思い込んでるがゆえにそれに寄付することを拒むのだ。確かに利用は無料だ、だがその無料は寄附から成り立っているのだ。世界のどこかに寄附をしている人がいるのでWikipediaが維持活動できる。寄附をしていない人はその甘い汁を吸っているだけなのだ。
Wikipediaの支援は金銭の寄附だけではなく、「記事を書く」と言う支援方法もある。だがこの支援方法があるからこそさらに寄附を馬鹿らしく思う人がいるのだろうか。Wikipediaの記事確かにユーザ「も」書いている。だからこそ、Wikipediaは記事を公開しているサーバを提供しているだけだと思っているのかもしれない。
だが違う、Wikipediaの活動内容を読んで欲しい。記事の追加はボランティアだけでは足りていない。記事を書く専門家を雇うこともしている。記事の更新もしている。だからこそ記事があれほどに充実しているのだ。
Wikipediaに広告をつければ運営費の回収くらいすぐに行える。だが広告をつければ記事の内容に偏りが出る可能性が出てくる。そうなればWikipediaは公平性にかける。それを行わない為に信念を持ちWikipediaは寄付金で運営されているのだ。
私の身の回りを見ると、寄附をするという習慣を持っているのはプログラマくらいに感じる(OSS関連のプログラマ)。プログラマは身近にオープンソースコミュニティがあり、それを維持するためにコストが掛かっていることを身を持って理解している。だからこそ寄附の重要性を知り、自ら寄附をしていく。自らもその寄付の恩恵にあずかっているからだ。
だが、そのように身近に寄附で運営されている母体がない日本人には寄附という意識が低いのかと思う。寄附金で運営されるということを理解できないのだろう。そして、寄附をしない言い訳を「寄付するような団体がない」と言う。
やらぬ善よりやる偽善。
例えコンビニのおつりを入れるだけでも、その額で膨大な寄附が出来ている。例え「小銭が邪魔」という理由だとしても、そのお金で人の命が救われているのだ。「心無い寄附は意味がない」なんてのは嘘だ。心があっても寄附をしなければ救える命など無い。
どこでもいい、寄附をしよう。日本ユニセフでも、地元サッカーチームでも、コンビニの募金箱でもいい。その寄付金が地域を、世界を豊かにし、自分の環境が豊かになっていくのだ。
自分のために寄附をしよう。
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