ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

頭にガツンと一撃 ロジャー・フォン・イーク(著), 城山 三郎(翻訳)

いやぁ、これはやられたね。ガツンとやられた。頭蓋骨が軋んだ。

本書の存在や一部の内容は知っていたがなかなか入手できずにいた。Amazonはすごい。30年前の書籍で容易に手に入れることが出来た。


本書は硬くなったあなたの頭を柔軟に戻す手助けをしてくれる。硬くなったとは「脳トレ」の様な無意味なものではなく、根本的な思考を取り戻させてくれる。学校教育や社会生活は、あなたに知識を与え答えを導き出す方法を教える代わりに、一つの答え以外を考える能力を失わせているのだ。本書はその失った能力を取り戻す機会を与えてくれる。

だが凝り固まった頭の持ち主の中には、本書の内容を批判する人もいるだろう。あまりにも凝り固まった頭はガツンと一撃を食らわした所でなんの変化もないかもしれない。そんな人間にはなりたくないもんだ。

頭にガツンと一撃

頭にガツンと一撃


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上の4つの図形を見て欲しい。それらの図形の中で仲間はずれの図形はどれだろうか?その理由も考えて欲しい。(手で書いたため歪な形であるが、真円、正三角形、凹んだ円、真円を半分に折りたたんだものと考えて欲しい。)


あなたはどれを選んだろうか?Cを選んだ人が多いだろうか?正解です。Cは左右対称でない唯一の図形です。Aを選んだ人もいる?Aは中心点から等距離で線を引いた際にできる唯一の図形。そうですね。Aも正解です。Bは直線のみで構成された唯一図形です。正解です。Dは曲線と直線が使われた唯一の図形です。これも正解です。

そう、どれを選んでも正解。だが、多くの人が一つの仲間はずれの図形を探して思考を停止させたのではないだろうか?これが、先にも書いた「一つの正解を探す能力を鍛え、複数の正解を能力を失ったあなた」です。私は何も「仲間はずれは一つ」とは言っていません、あなたが勝手に「答えは一つ」と思い込んでいるだけなのです。

実生活や仕事に置いて正解は一つでしょうか?多種多様な正解があるにも関わらずそれを追求せずに一つの正解を選んでいるだけではないでしょうか?正解の一覧から取捨選択するのではなく、不正解の連続から正解が出た時点でそれを選んでいるだけではないでしょうか?


x + y = 1

これはx=1、y=0かもしれない、x=0、y=1かもしれない。はてはx=2、y=-1かもしれない。答えは無限に考えられる。だが一つ目の答えを見つけた時点でそれ以外の正解を求めるのを辞めてしまう。それはもったいない。あなたの導きだした答えは不正解ではないかもしれない。だが最適解ではないかもしれない。だからこそ複数の答えを探し、その中から最適解を探さなければならない。


あなたも本書でガツンとやられてみてはいかが?

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