ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

「最強チーム」の作り方 毛利 豪(著)

なかなか面白い。今年に入って3回ほど前半を読んでいる。

「私の周りには仕事のできる人がいない」、「私のチームが成果が上がらないのは部下が悪いからだ」、「あの人が優秀なのは部下が優秀だから」と考えているのは全て間違いであると本書は否定している。たしかにその通りだ。あなたが無能である故に周りに無能が集まってくるのだ。

類は類を呼び友は友を呼ぶ。これに尽きる。

もしあなたがそれを否定し、あなたが優秀な人間であれば、どれだけ無能な部下であっても成果を上げるように導くことができるはずだ。それが「能力」ということだ。あなたが無能な指示を出しているから部下が無能に見えるのだ。

「仕事はできても人を扱うのが苦手なだけだ」。こういう人は更に無能だ。自ら無能なことを主張しているだけだ。ならば成果を上げることを考えず、上司の言いなりに業務を行えばいい。さすればその上司が率いるチームは優秀になるだろう。つまりそういうことだ。「有能なチームはリーダが有能」なのだ。

「最強チーム」の作り方 (マイナビ新書)

「最強チーム」の作り方 (マイナビ新書)


本書にはこれについて著者の経験から例を出し「有能なチームの作り方」が書かれている。注意して欲しいのは、「あなたが無能である限りあなたのチームは結果を出せない。」ということだ。チームを押し上げるのはあなたの能力にかかっている。だからこそ本書を読み、人の扱い方を知り、成果を上げるチームをつくり上げることだ。

有能なチームは自然発生的に生まれるものではない。リーダーが創りあげてこそ有能なチームは発生するのだ。


長崎のハウステンボスを例に出そう。ハウステンボスは1992年に開業したものの赤字が続き2003年には2300億円の赤字を抱え会社更生法を申請して経営破綻に追い込まれた。そして野村ファイナンスからの更生計画が認可されたものの2008年のリーマン・ショックにより来場者がさらに減少した。大規模なリストラを発表するもののさらなる経営の悪化により野村ファイナンスも2010年3月に支援から手を引いた。

そこで現れたのがH.I.S.澤田秀雄社長になる。2010年4月より澤田秀雄ハウステンボスの社長に就任しHISによる経営再建が始まった。澤田社長による再建開始から半年後の2010年10月には3億円の黒字を発表した。この黒字はハウステンボス開業後初になるものだ。18年間も赤字が続いていたハウステンボスを半年で黒字に転換させたのだ。融資元からの債務放棄や、佐世保市からの交付金、債務の出資金による弁済など多数の要因はあるがそれはすべて澤田社長の行動によるものになる。


このように、リーダーが優れていれば有能なチームを作り出すことができるのだ。いいかれば、例え同じ人材があったとしても、リーダーが無能であればその能力を発揮することはできず無能なチームに踏みとどまってしまうのだ。

これは何もハウステンボスに限った話ではない。日産やJALも同じように再建を果たしている。これほど大規模なチームをリーダー一人で変えることができるのだ。10人やそこらなど、あなたが直接指導できるような規模のチームならなおさら影響力は甚大になる。


是非とも本書を読み、あなたのチームを有能なものとしてほしい。

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