ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

卑屈の国の格言録 小明(著), キングオブコメディ 高橋 健一(著)

いやぁ、ひどい。これはひどい。ひどいとしか言いようがない。

「卑屈の国の格言録」と言うタイトルからは想像できない酷さだ。いやぁ酷い。

なんてたって「卑屈」なんて低次元のものではない。「言いがかり」だ。格言に対して言いがかりを決め込むという画期的な書籍だ。その言いがかりも揚げ足取りの言うようなものではなく、面と向かって言いがかりを決め込む。

「格言」というものは結局の所、「聞き手」の捉え方次第で内容は変化するが、その捉えた内容が全て「卑屈」側の捉え方であり、そこから言いがかりをつけ始めるのだ。


ニコニコキングオブコメディはもう何年も見ているが、その中で高橋の会話から頭の良さが気になっていたが、本書を読みその頭の良さの理由がわかった。本書の言いがかりもそうだが、決して無鉄砲に言いがかりをつけているわけではなく、きちんと順序立てて前提条件を作り直し、その前提条件の変化から言いがかりをつけている。

ここまで一つの会話から多方面の考え方が出来る人もなかなか見ない。いろいろな知識があり、多方面の見方ができるからこそできることだと思う。


その理由がわかったのは本書の内容全体からもそうだが、次の内容だ。

P84.
僕は弾まずの方ですよ。朝、京浜急行に乗って、文庫本を読み、教室で文庫本を読み、明るい子が多い新設の学食にはいかず、床が土で出来ている古い学食でうどんを食べながら文庫本を読み、だいたい授業が一コマ空くから、別の校舎までの電車代とバス代を浮かすために、誰も通らない山道を50分かけて歩きながら文庫本を読み、別校舎でも授業中に文庫本を読み、帰りの電車で文庫本を読み終えるというのが、僕の学生気分。二宮金次郎気分。

高橋は学生時代に毎日本を読んでいたそうだ。一日一冊ほど。これが毎日続いていたことがどうかはわからないが、学生時代の経験から学生気分を表している部分なので、これがある程度継続されていたことはわかる。


何度も書いているが、やはり頭がいいと思える人は本を読んでいる。それも多量に。

本を読むことで他人の意見を知り、さらに別の考え方も知る。新しい知識が付き、新しい解釈を知る。そうすることでそれらを自分の考えや会話に繋げることが出来、結果、頭が良い人となる。


本書は本当に言いがかり集であるが、その言いがかりもきちんと考えられたものであるため、「考え方」、「伝え方」と言う面でも本書は参考になる。

自分が人に物事を伝えるときでも、本書のようにいろいろな解釈ができることを考えると、それらの誤った解釈が起こらないように伝えていけるはずだ。


いやぁ、これは酷い。

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