ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

未経験なプログラマ

いやぁ暑いね。暑い暑い。

この暑さなのか、人口爆発の影響なのか、遺伝的淘汰なのかわからないが、本当に、本当にアホが増えている。どうしてこうなったのかと思うほどにアホばかりだ。

私はよく「プログラマ採用」の手伝いを頼まれる。今までの会社でも担当していたし、別の会社からも頼まれる。今回も手伝いを頼まれた。そしてあまりにもイライラしたので記事にする。

この記事を読んだアホがプログラマの募集に応募しないことを願って。

熱愛未経験。 (角川ルビー文庫)

熱愛未経験。 (角川ルビー文庫)


この現象は「プログラマ」に限った話ではなく、どのような業種にも関連するかと思う。特に技術系の募集には全て関連するかもしれない。過去にNC技術者やパソコン販売の技術者募集を行った時にも同じようなことになった経験がある。

どのような職業についても当てはまるかもしれないが、今回は「プログラマ」を対象にして話を進める。


まず、ハローワークにはプログラマの募集がかなりの数ある。前々から記事にしているが、世間の「就職難」等ウソで、就職先などいくらでもあるが能力の足りない人間が多すぎるために就職できないだけだ。それほど世間が「無能」な人間を排出する機関になってしまっている。

そして、この「能力」について絞るために募集要件として「Java経験3年以上」や「Web開発経験者」、「Ruby on Railsが使える方」の様なわかる方からすればわけのわからない要件が掲載されている。

これは、求人には「労働者の募集における年齢制限禁止」の条件から年齢制限が出来ず、10年などの長期の経験年数はこの「年齢制限」における「10代」の実質的排除に当たるため掲載できない。これによって、長期の経験年数を示すことが出来ないため、10代がギリギリ応募可能な3年程度が限界になると判断できる。そして、逆に数字を入れないことで暗黙的に長期の経験者として示している所もある。(労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&Aが条件に詳しい。)


だが、このように本来の意味で経験者のみを対象としている求人は極わずかで、「Java経験1年以上」や「プログラミング経験者」、「Web開発の出来る方」の様に実質的には制限が必要なく、ある目的にのみ制限をかけようとしていることが多い。

その目的とは単純で「未経験者」を排除することにある。


そして、この「未経験」と言うのがかなり曲者で、わかる方には本来の意味がわかり、アホの方々には拡大解釈されてしまうのが問題になる。

ここで指している「未経験」とはもちろん「職務経験」になる。だが、アホな方々には「プログラミング」が「未経験」でもいいと解釈してくださるようだ。これはもちろん募集要件に「Web開発が出来る方」、「未経験者歓迎」と書いたとしても、「未経験者歓迎」の部分のみ読み、併記されている「Web開発が出来る方」は無視されるのだ。

細かく条件づけをすることでこの勘違いが生まれないようにすることはできるが、上にあるように求人には多種多様な制限が儲けられており条件を端的にしか記入することが出来ない。

よって「職務経験が未経験」でもプログラミングさえできれば問題ないと考えている企業でも、このようなアホを排除するために仕方なく「経験1年」という条件を付けざるを得ないのだ。本当にアホが世界の足を引っ張っている。


今回手伝った会社もそうだが、私も過去に本当に素直に「未経験な出来る人」を探そうと「未経験者」を募集したことがある。

そして実際としてろくな事にならない。

「経験1年」や「PHP経験者」と書くだけであれば応募は週に数件にも関わらず、「未経験者可能」とするだけで2週間で100件近くの応募になる。アホですかと。


そして、もちろん未経験者の応募が主になるため書類選考は行わず全員を面接するのだが時間と面接コストの無駄になる。


面接をすると9割が同じような内容だ。

プログラミングは未経験なので、勉強させて下さい

アホかと、バカかと、会社を潰す気かと。なぜ会社がお前に金を払って「勉強」してもらう必要がある。勉強したいのであればお前様が金を払って学校に行って来いと。会社を学校と勘違いしているんですかと。

これは本当に20代に多い。特に20代前半に多く、学生時代に就職しなかったか出来なかったがゆえに、就職を学校の勉強の延長線と考えているのだろうか。さすがに40代からこの言葉は聞いたことがない。

ひどい人になると、「プログラミング未経験」ではなく「コンピュータ未経験」と言う人間まで来る。

本当にプログラミング未経験の人を採用することもあるが、それは数学や文学等のなんらかの学問や技術に特化した人間であり、その人たちにプログラミングを教えることで働いてもらえると解釈できる場合に限る。だがそのような人を募集するときにはプログラマの募集ではなく別の募集として出すか、募集要件にその分野を書き、その上で「プログラミング未経験者歓迎」とでも書く。

ようは「プログラマ未経験」なだけなあなたは対象ではない。

やる気なら誰にも負けません

無理無理。負けてる。お前はやる気最下位だ。やる気欠乏症だ。

もし本当にやる気があるのであれば、普段からプログラミングを勉強し「職務未経験」であったとしても「プログラミング未経験」ではないはずだ。募集が気になってプログラマに興味を持ち応募したとしても、書類の送付から面接までの数日の間に勉強できる。

それをやっていないお前様はやる気がなく、上の「勉強させてもらう」と言う甘えがあるから「勉強未経験」なのだ。

お前にあるのは「採用されてやる気」だけだ。

一生懸命頑張ります

いらない。一生懸命にやらなくていい。会社がお前に望んでいるのは「一生懸命」ではなく「業務遂行」だ。

上の「やる気」と同じだ。お前は一生懸命になんて頑張る気はない。

これで採用されなければプログラマは諦めようと思います

諦めてくれ。お願いだ。諦めてくれ。

お前様が諦めてくれたほうが業界のためにも、君のためにもなる。いくら君が応募したところで採用されることはない。応募するだけ君の人生の無駄だ。そして、そんな君を面接しなければならい企業のコストの無駄になる。

だから諦めて別の道を探してくれ。



このように「未経験者」を募集するとろくな人間が来ない。何度も言っているが、プログラマは年齢の制限がかなり緩い。大企業の一部署で働くのであればその企業構造故に実質的な年齢制限があるかもしれないが、中小企業ならほぼ関係がない。

私も実際に44歳や52歳のプログラマを採用したことがある。基本的にプログラミングができれば問題ないのだ。例え52歳で社長の倍くらいの年齢でも、それに不満を覚えず働いてくれるのであれば問題ない。私達もその経験からあなたを敬って対応する。

とにかくプログラマは能力が命だ。能力さえあれば今のあなたでも転職できるだろう。だが、「プログラミング未経験」の方を採用する企業など極わずかだ。新卒ならまだしも30代の未経験者を採用する気など無い。プログラマになりたければとにかく勉強することだ。プログラミングの勉強に足枷はない。パソコン一台あれば出来るのだ。


若い年代であれば本気でプログラマになりたいのであれば未経験でも問題ない。今から勉強すればいい。これは別の記事にする。

プログラマの数学

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