ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

医の倫理―ミニ事典 畔柳 達雄(監修), 森岡 恭彦

本書は日本医師会雑誌 2006年3月号の付録として掲載されていた内容を独立した書物に起こしたものになる。付録を書籍化しただけの135ページの書籍に2000円の価格設定とは医療業界のヒエラルキーには毎度驚かされる。

だが日本医師会雑誌は地方医師会に所属していなければ基本的に購入できない書籍であるため、その付録であったとしても一般書籍化されることは喜ばしい。そして、本書はそのように一般書籍化し流通させる程の価値がある書籍であり、価格以上の価値は十分にある。凡夫が本書を読むことが出来るということに感謝しながら読むべき内容になる。

医の倫理―ミニ事典

医の倫理―ミニ事典


本書は「医の倫理」というタイトルの通り、過去から現在に渡る倫理変化やそれに対応する法等世界の変化が紹介されている。後半は少々重複した内容となっているが、前半だけでもぜひ読んで欲しい。さすれば「医者」や「医療」についての考えが変わるであろう。

本書は医療情報技師のテキストが届くまでの、医療を学ぶ導入として読んでみたが正解であった。医療系の書籍は多数読んだわけではないが、まず「医療」というものの考え方について学ぶ上では本書が最善な導入書になるかと思う。


いやぁ、やはりどのようなことでも学んでみると面白いものだ。医療というものを勘違いしていた。

不死身のタイマーズ イツミさん

思い上がった現代医学 人間の体を
切ったり貼ったり 取り換えたり
自動車部品じゃあるまいし
挙げ句の果てに抗癌剤 薬づけ
助かる命も助からない
半年も持たない
抗癌剤 抗癌剤 それは殺人剤
手柄をたてたいお医者さん あんたは殺人罪

こう思っていたフシもあった。私が今までにかかった医者からの経験で信用ならないと思えるものも多々あった。だが、どのような業界にも天地の差があるように医者にも同じく差がある。その天の人たちの考えや、その倫理を知ることが出来る書籍になる。


日本医師会雑誌は簡単に読めないので、是非とも酒販ニュースを読んで欲しい。