ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

コンピュータVSプロ棋士 岡嶋 裕史(著)

私は過去の偏見で将棋があまり好きではなく、定石は全く知らないし、そもそも将棋のルールすらきちんと理解しているか危うい所であるが、本書は面白く読むことができた。

本書はニコニコで米長邦雄永世棋聖ボンクラーズが対局する前の話になるが、そのボンクラーズのベースとなっていたボナンザのシステムや思考法についても簡単に説明されており、後半は清水市代女流王将とあから2010が対局した際の話も臨場感があるように解説されている。

本書はこのように将棋を始めたばかりの人には将棋の魅力がわかり、プログラマには将棋プログラムについてわかる、将棋好きには今後のvsコンピュータ対局についての理解が深まる内容となっている。


ここまでで本書の説明は大体となる。簡単にコンピュータとのチェス対局にも触れ、IBMのディープブルーについても触れられているが、Wikipedia以下の情報量になるためこれらを目的にして読むとがっかりするかと思う。本書はあくまでも将棋がベースとなっており、付加的にチェスや囲碁についてもほんの少し振れられているという程度だ。

本書は1年ほど前に将棋プログラムについて調べようと将棋関連の書籍を購入したうちの一冊になる。他にも数冊あるので、近いうちに読みたい。


ちなみに書いておくと、私は上に書いたように小学生や中学生の時に将棋をやって嫌いになった。なのでチェスをやっていた。理由は単純で、「取ったコマを無尽蔵における(もちろん二歩などのルール上の制限はある)」というのが気に食わなかったからだ。もちろんそれを考慮して考えればいいだけの話だが、それを考え始めると非常に時間がかかってしまう。小学や中学生の時代にそこまで悩みに悩んで考える遊びなど私には向かない。将棋倶楽部や将棋場に行っている子供ならまだしも、現在の競技人口が減っている理由もここにあるかと思う。現在は短い時間で考えずに遊べるインスタントゲームが全盛である。

チェスなら実質的には盤面上だけの思考でよく、さらに、有効駒に絞れば思考範囲は非常に狭くなるので深く考えることができる。これなら小学生の時代であればあまり長考になることはない。長くても一局1時間ほどで終わる。なので、私や私の身の回りにはチェスを流行らせチェスで遊んでいた。

そんなこんなで将棋はすることはなくチェスで遊んでいたが、チェスですらやる仲間が多くなかったので回数は多くなかった。更には高校に入るとチェスをする人間もいなくなったためにそれ以後は数回コンピュータチェスをやった程度になる。

とまぁこんな所である。