ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

それでも脳はたくらむ 茂木 健一郎(著)

先に「すべては脳からはじまる」を読んだが、本書はその続編になる。総合的な感想については先の記事を読んでほしい。

本書も先に記事に書いた内容と同じで、単なるエッセイの寄せ集めであり「脳」については関係がない。一冊目よりも関係がないと言えるだろう。

だがやはり「それでも脳はたくらむ」と、「脳」とつけることで茂木の知名度と合わせて売れることが予想されたのであろうか。

それでも脳はたくらむ (中公新書ラクレ)

それでも脳はたくらむ (中公新書ラクレ)


だが本書は一冊目よりは読み物として面白い。一冊目は暇つぶし以外にはならなかったが、本書はさくらももこのエッセイ集のように面白く読めた部分もある。だが、脳の話になると急に胡散臭く不信感を抱いてしまうのは脳について勉強してしまった人たちだろう。

こうなると脳については一切書かない普通の読み物として文章を書いてほしいと思える。まだ全ての書籍を読んでいないが、もしそのような書籍が出ているのであれば読みたい。文章も平易で読みやすく、話の展開も面白いため是非とも何かについて脳とは関係なく話を書いてほしいものだ。

Wikipediaの著書欄を見ると、どれも脳に関連したタイトルのものが多く、今現在のところはそのような書籍を出していそうにないのが残念に思える。

是非とも「脳科学者」としてではなく、「文芸家」として本を書いてほしい。


本書では養老孟司について何度か出てくるし、プロフェッショナルというテレビ番組でインタビューした多くの著名人の話が引用、記載されている。だがこれも疑い深い私が読むと「著名人の名を使って真実味を出そうとしている」と思えてしまい、そこに書かれている脳についての話が全て嘘っぱちに思えてしまう。これは根拠も出典も引用もないのでしかたがないことだが・・。