ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

家事はチョロかったという話

今確認するとブログには書いていないようだが、私は今までに「家事はちょろい」と言う話を何度もしてきた。

「ちょろい」とは言葉が悪いのかもしれないが、「家事は大変」という人間が馬鹿に思えるほどにはちょろい。「家事は大変」と言っている奥様方はそう言っていないと自分のやっていることが「簡単」とされてしまうがために、「理解されない」、「大変さがわからない」、「休みがない」といろいろこじつけて「大変」ということにしておかなければならないのだ。

「自分はそんな大変なことをしている」と自分自身を賛美し、旦那や周りの人間に褒めて欲しいがためにそう言っているのだろう。

たしかに戦後すぐの時代の頃は大変だっただろう。今見たく家電製品はないので全て手作業での家事になる。料理も保存が効かない。米を炊くにも火の番をしなければならない。今はそんな時代ではない。スイッチひとつで全て終わる。

今が大変だと本心から思っているのであれば、あなたはそれ程に効率が悪く馬鹿なことをしているだけだ。一度でも働きに出れば自分の無能さに気がつくことが出来るだろう。働くことの大変さがわかっていないのであろうと容易に想像が出来る。

可愛くなる家事

可愛くなる家事


まず私は8月から2が月程育児的なものや家事をフルでする機会があった。それも一般的な家庭よりは少々複雑で2世帯程度のものになる。

というのも、私の近親者が入院してしまい、1歳半と4歳ほやほやの子供、その旦那と近親者の両親の自宅の家事をする必要になったからだ。旦那はある程度自分で生活できるが、その子供は近親者の両親の自宅で預かることになり、私がその家に泊まりこみで面倒を見ることになった。

ということで拠点は3つだ。入院している病院、夫婦宅、両親宅。

病院までは自転車20分と電車20分と徒歩10分で1時間かからない程度。病院には主に手続きと近親者の身の回りの世話(買物や洗濯、雑用など)、そして子供を合わせに連れて行くことになる。手続きは本人でも配偶者でもないので委任状など色々と手間がかかるが、大体は市役所と保険会社への連絡で済んだ。身の回りの世話も一世帯の面倒を見ているのでそんなに手間ではない。子供もほぼ毎日遊びに連れて行くと徐々に言うことを聞くようになったので手間はかからない。頻度は週に3回程度。

夫婦宅は自転車で30分程度。主には近親者の服や身の回りのものの交換、子供の玩具の交換、旦那の食べ物の補充と洗濯、掃除くらい。旦那は働きに出ているためひとり暮らしの家事程度のもの。洗濯物を干して取り込むために1日2往復することもあるが、子供を遊びに連れて行く行き帰りだったりに行けるので手間ではない。天気が悪くて乾きそうにない日は旦那に連絡しておけば自分で取り込んでくれる。料理も出来る日に作って貯めておくのだけど出来ない日もあった。こちらは週に2回か3回の頻度。病院にいかない日にいくという感じが多かった。

拠点の両親宅は両親夫婦と猫が何匹かいる一般的な一軒家の家庭。両親共に自営業で働いているため朝9時から夜の22時頃までは居ない。一ヶ月の休みが4日でそれもまばら。お母さんの方は15時から1時間半ほど猫の面倒を見に返ってくるが、お父さんの方は帰ってきたり返ってこなかったりという状態。夜ご飯は基本的に食べて返ってくるので夜ご飯は私と子供の分だけでいい。朝ごはんは簡単なもので良くて、お昼は帰ってきた時に食べるので、食べたり食べなかったりとまばら。


このような状態。一般的に「大変」だと言っている家庭よりは拠点外ですることが多いので手間は2倍弱はあるかと思う。でも正直大変ではなかった。仕事なんかよりかは断然に楽だし、クリーニング業や保育業と考えても気も楽で1日に8時間もかからない。

簡単なスケジュールを思い出して書いてみる。

5:00 私起床
・勉強したり
・本読んだり
・外の掃除したり
5:30〜6:30 子供起床
・ご飯の準備
・お弁当の準備
・風呂の掃除
・子供は両親にちょっかいかけて遊んだりビデオを見てる
8:00 両親起床
・朝食
・朝食の後片付け
9:00 両親仕事へ
・洗濯
・掃除
10:00 病院か夫婦宅へ
・どっちかで洗濯やら掃除やらご飯作ったり
12:00〜13:00 遊ぶ
・子どもとどこかで弁当を食べる。公園だったり駅前だったりフードコートだったり。
・遊びに行く。公園だったり川だったり、山だったり
・旦那の家に行った時は洗濯を取り込んだり風呂を洗って帰る
15:00 帰宅
・洗濯物の取り込み
・両親のご飯を作る
・子供昼寝
・掃除
・お母さんが帰ってきてる時は私も30分〜1時間寝る
17:00
・子供起床
・夜ご飯を作る
18:00
・夜ご飯
・片づけ
・お風呂
・家の中で遊ぶ
22:00
・両親帰宅
23:00〜24:00 子供就寝
24:00 両親就寝
24:00〜25:00 私就寝

というような感じだ。多少左右するもののだいたいこんな感じになる。子供は21時に寝かそうとしていたのだけど、近親者宅が23時から24時に寝かせる習慣らしくてそれに習った。私が外で遊ぶのが好きなので週に5日は外に連れて行って遊んでいた。川では魚とかザリガニを釣ったり入って魚を取ったり。4歳児は釣りができるけど、1歳半は釣ったザリガニやら魚やらに永遠に餌をやってた。後は私に石を投げてくるのが主な仕事。都会なので通行人にめっちゃ見られるのが難点だけど何回もやってると他のファミリーも真似したりしてて一般的になりそうな感じだった。

公園に行ったら永遠と滑り台を滑り続けるのがちょっとした恐怖。本当に永遠と滑り続ける。滑り台が好きなのかと思って、両親が子供の面倒を見てくれる時にまる一日50以上の公園を巡って滑り台を探した。自転車で30分かからない割と近めの公園に二つかなり大きな滑り台があったのでそこに連れて行くと大はしゃぎだった。探すと割と近所に小さな公園に大きな滑り台がある。遊んでた子供に聞くとそのまんま「ジャンボ滑り台」と言う名前だった。


と、まぁこんな感じで2ヶ月過ごした。8月の初旬には放送大学の単位認定試験、8月末には医療情報技師の試験があって家事や育児的なものと合わせて勉強をし、さらには自営業としてWebシステムの制作なんかもしていたけどそれでも特に難しいことはなくてフルタイムの仕事をするのに比べると非常に楽だった。一番大変だったのが4歳児の幼稚園巡り。なぜかいくつかの幼稚園の下見に私がいくことになってそれを回るのがいろいろ調べたり聞いたりしてそれを資料化するのが大変だった。資料にしなくてもいいのだけど、近親者と旦那と両親にバラバラに説明するよりは資料を作ったほうが確実で早かった。

また、近親者に聞くにはそんなに毎日外に遊びに連れて行かないということで、一般的な主婦は家の中でテレビやらビデオやらで勝手に遊ばせているとのこと。私は一人で外で遊ぶわけにはいかないので子どもと遊んでる方が面白かった。私の妹にも子供がいるのだが、その妹が毎日に暇そうに電話をかけてきたり、パケットをすぐに使い切ったりしたり、一日中スマフォゲームをしている理由がわかった。

妹に「毎日暇そうやな」といっても「忙しいわ。今休憩中。」といいつつ、3時間位ゲームをし続けている。それは「主婦は暇だから」としか言いようがないかと思う。


仕事なら失敗した時に会社が潰れる損失を受けるプレッシャーなんかもあるが、家事でそんなプレッシャーはない。洗濯中に雨が振っても大体は洗濯しなおしたりで済む。旦那の仕事着などどうしても翌日に必要な時はコインランドリーで乾燥が出来る便利な時代。そして何より、「今出来ない」と思えば後に回せるのがでかい。私は毎日基本的に定例的に繰り返してたが、サボろうと思えばいくらでもサボれるのがすごい。もし乾燥機付きの洗濯機なんて買った日にはなんぼほど楽が出来るのかとも想像してた。そうなると家事ですることなどほとんどなくなるも同然だ。


とまぁ、あまりにもチョロかったので記録に残しておく。

このチョロかったは私が今までに働いてきた経験からなので、もちろん一般的な事務員のようなサラリーマンには当てはまらないのかもしれない。数億円程度の利益の契約や、失敗すると数億円の損失が出るプログラム、クリックを一つ間違えるだけで数千万円の端末が文鎮になるような仕事と比べればの話だ。

もちろん主婦の「大変だ」というのも、それまでの事務員程度の仕事しかしたことのない主婦の言葉かもしれない。私と同じような仕事をしていたらその言葉は出ないかもしれない。

ある程度の責任を持つようになると、自分の組織の直接的な部下だけで数百人になる。自分が失敗するとその数百人が、その数百人の家庭に影響が出ることを考えて常に仕事をしなければならない。自分が間違えればその数百人が、いや、会社が倒産してしまうかもしれない。これは大きな家族の長のようなものだ。


そしてこの責任を持つのが嫌で私は今無職だ。いやぁ、気楽なものだ。