ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

コンピュータのしくみ (放送大学教材) 岡部 洋一(著)

舐めてはいけない。タイトルからは情報処理試験にあるような、「コンピュータの五大要素」や「論理回路」を説明するようなものと思うかもしれないが全く違う。

根本的なコンピュータのしくみを扱った内容となる。根本とは、CPUの内部構造のFETのことや、データバスやクロックからコンピュータがどのように計算するかと言ったことになる。

はっきり言って、一周読んだでけでは私もちんぷんかんぷんである。

コンピュータのしくみ (放送大学教材)

コンピュータのしくみ (放送大学教材)


本書で扱われている内容はこれを読んでいただければ察していただけるであろう。

P3.
なお、放送教材は概念を伝えるように構成しているが、印刷教材である本書は、かなり詳細に至るまで記載している。そのため、はじめての人にはやや難しいかもしれない。逆に、その気になればコンピュータを設計できるほどのレベルまで記載したつもりである。

「その気になればコンピュータを設計できるほどのレベル」。情報処理試験を全て所持していたとしてもこんなことは全く出来ない。想像すら出来ない。そんなものよりもよっぽど高いレベルが本書で扱われている。だが本書はそれを解説した書籍だ。しかも内容は150ページ以下になる。それ程にペースが速い。

私にしたら「やや難しい」と言うレベルではなかった。1ページ内容を理解するのに1時間程度かかっている。


以前に書いた「情報技術者試験なんて無意味」の内容など、本書であれば序盤も序盤の内容だ。数ページで解説されているだけになる。本書はそれらの回路を使ってCPUやレジスタ、果てはコンピュータ全体を設計するほどのレベルが扱われている。

コンピュータ技術者と名乗りながらも電卓すら設計が出来ない人間ばかりだ。本書ではそのような人間向けに、本当のコンピュータ技術者になるための内容が詰まっている。

本書を読めば、コンピュータの基本構造、そしてしくみが本当に理解できるだろう。

だがそれは決して簡単なことではない。本書を読み始めての多くの人が挫折するほど難しい内容かもしれない。


だが本書の知識はきっとあなたの役に立ってくれるはずだ。

本書の内容が理解できずに何がコンピュータ技術者だと言いたい。


本書と出会ったことに感謝を込めて。