ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

仕事ができる人できない人 堀場 雅夫(著)

堀場製作所の創業者である堀場氏の書籍になる。

本書の「仕事が出来る人」とは、世間のニーズではなく著者のニーズになるが、その著者のニーズは今の世の中に必要なものになっているかと思う。経済成長がほぼ止まり、GDPも中国に抜かれ、今後ますます衰退していくこの日本で、今後どのような人が必要になるか。

著者は一癖も二癖もあるような人になるのでその人の主観である「仕事が出来る人」は一般のサラリーマンからしたら煙たがられる部類に入る。例えば解雇されることを覚悟で勝手に研究開発を薦めるような人たちだ。現在の時代にこのようなことをしてはほぼ間違いなく解雇や降格の対象になるだろう。

だがこの日本を支えた経済成長時に生み出された日本の製品の多くはこのような会社からしたらアウトローな人々が独自に研究開発し作ったものになる。私が利用しているこのGNU/Linuxのベースも、そのベースになるUNIXもそのようなところから生まれたものだ。


そして現在の若い世代はそのような事をしない。私が言うのも何だが、私の部下になった人たちも「上司の指示に従っていればいい」と考える人たちばかりであった。少しの空き時間でもあれば自分で考え仕事を創りだすのではなく、少しの空き時間があればサボるか、そもそもに空き時間が無いように日頃からサボっている人たちばかりになる。

本書に掲載されているままの人物が私の部下になることは私も歓迎しないが、本書に掲載されている要素の一つや二つであれば歓迎すべきものだ。


仕事についてだけではなく会社のあり方や、上司のあり方についても非常に参考になる。

私も本書を読み、もし今後働くことがあれば本書にあるように働いていきたいと思えた。


ただし、世間一般からすればルールを破るようなことが多いということは理解しておく必要があるかと思う。