困ります、ファインマンさん R.P. ファインマン (著), 大貫 昌子(翻訳)
先に読んだ「ご冗談でしょう、ファインマンさん」の続編になるだろうか。
だが前作まではファインマンの突飛と言われるような行動や、その元となっているような考えが書かれているが、本書はそういった話は2章に書かれているものの全編というわけではない。
前作を読んでいる方は二章は楽しめるかも知れないが、一章と三章についてはそれまでのものとは違うために興味を持たない人も要るかも知れない。私もその一人だ。
- 作者: R.P.ファインマン,Richard P. Feynman,大貫昌子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2001/01/16
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- 作者: R.P.ファインマン,江沢洋
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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- 作者: ファインマン,坪井忠二
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1986/01/08
- メディア: 単行本
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一章は私は途中までしか読まなかったが、最初の嫁ハンとの出会いから死までの話になるようだ。私は途中で興味が無くなり読まなかったが、この中にももしかすると突飛な行動について書かれていることもあるかも知れない。
三章はチャレンジャー号爆発事故から委員に選抜され、その調査が終わるまでのファインマンの考えと行動がまとめられたものになる。読めばいかにそれが慣例的で凝り固まった考え方を持つ人間たちの集まりかと批判したがるかも知れない。確かにファインマンという人間のレンズを通して見ればそうなるかも知れないが、例えばこれを個人個人が統制を取らずに自由に行動すればどうなるかという面についても考えておくべきだろう。そしてなにより、そのように集団的に雛形に従って動かなければ国民はまたそれを批判する。「公開討論」がなければ「開かれた会議をしろ」と叫ぶくせに、開かれた会議をしてそれが当たり障りのないものになると「無駄」だと言い出す。所詮そのように文句を言う連中は何かしらにつけて文句を言うだけなのだ。いや、文句を「言いたい」だけなのだ。
あなたも本作を読みそのように読み批判的な意見を持てばそのような人たちであると言うことを自覚すべきだろう。思い出してみれば今までにも単に攻撃したいだけという理由だけで揚げ足を取るように批判してきただろう。
当のファインマンについても本書の中で、あまりにも質問を続けることは「攻撃でしか無い」ということを理解し3日ほど委員の仕事を休んだという。ファインマンでもそれに気がつくのに時間がかかったのであるから、あなたらな死ぬまで気が付かないかも知れない。
本書はそのような点にも気が付かされるファインマンの考えが書かれた書籍だろう。