ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 ジェイソン・フリード(著), デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン(著), 黒沢健二(翻訳), 松永肇一(翻訳), 美谷広海(翻訳), 祐佳ヤング(翻訳)

前々から読もうと思いつつ読んでいなかったがやっと購入した。

読もうと思いつつ「ハヤカワ新書juice」レーベルなので中々手に入りづらく読むことが出来ずにいた。単行本化もされているのだが、まぁ新書レーベルで購入したいとわがままを思っていて購入できなかった。

そして購入してすぐに読んだ。ハヤカワ新書juiceレーベルの中では269ページと中々薄い方だし、内容も完結で1ページあたりの文量も少ないのでざっと読むことが出来た。

まぁ「なぜもっと早く読んでいなかったのか」と思ったことは、読者の方であればすぐにわかるだろう。

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

  • 作者: ジェイソン・フリード,デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン,黒沢 健二,松永 肇一,美谷 広海,祐佳 ヤング
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/01/11
  • メディア: 単行本
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それほどに素晴らしい。

 

私は今までに起業系の書籍を10冊以上読んだかと思う。だがどれも結局は「起業する」ことが前提になっている。書籍内では「起業するのは選択肢」や「本当に起業するのか考える」と指摘しつつも、結局は「起業するため」の書籍となっている。もちろんそうしなければ「起業系」の書籍ではなくなってしまい起業コーナーには置かれないだろう。


だが本書は違う。本当に心から「起業すべきなのか」ということに疑問を提起し、起業していたとしても「人を雇うべきなのか」、「オフィスを持つべきなのか」、「融資を受けるべきなのか」と、一般の起業書で「前提」としている考えを一つ一つ否定している。

本書としては人を雇うべきではないし、オフィスも必要がなければ要らず、融資を受けるのは最終手段でしか無いとしている。本書を総括すれば「会社を大きくする」ことに否定的な内容だろう。

だがそれは本当に重要だ。「会社は大きいほうがいい」という先入観で溢れ、なぜ会社を大きくすべきなのかと言う疑問を持っている人が居ない。

 

売上の少ない小さな会社の経営者がこの考えを言えば「弱小企業の僻み」と思われるかも知れないが、著者は言わずと知れた37シグナルズである。CMも打たなければ営業もしないという会社なので会社名は知らないかも知れないが、作っている製品やサービスを聞けばまず知らないプログラマはほとんど居ないだろう。そして、日本の会社でもその製品のお世話になっていない会社も少ない。

それほどに一般に普及し稼いでいる会社が「会社は大きくしない」としている。単に意固地にそれを守っているのではなく、「そのほうが良い」としてそうしているのだ。例えば営業が居いないのも会社が大きくならない理由であるし、営業が居なくても良い理由でも有る。

どの考えも参考に成るだろう。あなたが会社経営に抱いているのは先入観の塊でしか無い。

 

是非読んでほしい。