ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

ハリウッド的殺人事件

いやぁ素晴らしい。先の「人生はマラソンだ!」の感想にも書いた、まさにアメリカ映画のダメなところを押し込んだような映画だ。

タイトルにハリウッドとあるように、まさにそれを狙っているかのようなタイトルである。アメリカ映画的な殺人事件のサンプル映画だ。

とりあえず有名俳優が主人公で、濡れ場を少々、黒人、白人と男と女を織り交ぜる。そして主人公は高級車を乗り回し、他の車をジャンジャカとぶっつぶす。そして銃をジャンジャカぶっ放す。

そしてもちろんハッピーエンド。

ハリウッド白熱教室

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映画の構造分析―ハリウッド映画で学べる現代思想 (文春文庫)

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もちろんハッピーエンドはハッピーエンドでも、主人公が死なず、悪人を殺すか捕まえるかするだけで交通事故やらで死人は多数出ている。もちろんその描写は無いので、アメリカ映画的にそれらは映すべき価値もない犠牲者なのだろう。

本作の「殺人事件」は4人殺しの殺人事件になるが、カーチェイス時の交通事故ではそれ以上の人数が死んでいるだろう。まぁそんなことお構いなしだ。犯人さえ捕まえられたら他の人間がいくら死のうと知ったこっちゃない。

万引きの犯人を捕まえる為に核戦争を起こすのがアメリカ映画だ。


本当に素晴らしいアメリカ映画のサンプルになりうる作品だ。

是非ともアメリカ映画嫌いの人に見てほしい。