ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

なぜ情報を盗まれた会社が叩かれるのか

腐った社会、腐った秩序、腐った人たち。

スリに遭ったら、空き巣に入られたら、銀行強盗の被害にあったとしたら、被害者が責められるだろうか。

カバンを切られて財布を抜かれた被害者が、金属繊維入りの防刃カバンを利用していないのが悪いと責められるだろうか。
窓を割られて侵入された被害者が、鋼板入りコンクリートの窓なし建造物に住んでいないことを責められるだろうか。
銃を持った犯人にお金を渡した銀行が、お金を渡してしまったことを責められるだろうか。人質に取られた人が、人質に取られたことをせめられるだろうか。

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なぜ情報を盗まれた会社が、責められるのか。

情報を盗んだ犯人ではなく、情報を盗まれた被害者を攻め立て、再起不能にまで追い込むのか。

スリの被害者がカバンのサイドポケットに財布を入れていて、それを盗まれたのなら、不注意だと注意される程度ならわかる。だが、すられたことを責め立てられはしないだろう。

情報を持つ会社は、どれだけセキュリティにコストを掛けて注意していたとしても、情報を盗まれたら、その結果だけを評価されて責め立てられる。盗んだ犯人が憎まれることも少ないだろう。

この違いはなんなのか。

警備会社が警備をつかれて銀行強盗に入られたとしても、警備会社が責められることは少ないだろう。戦車で銀行に入ってこられたとしたら、警備会社は何もできなかったことが仕方ないとされ、同情までされるだろう。

そんな社会の一部である情報保持会社だけが、被害にあったことを責められる。

この違いはなんのか。

さぁ、考えてみよう。