フリーソフトウェアを非難する自由
先のTeraTermの開発者が引退した記事を読めば、フリーソフトウェア作りをしている私の気持ちが少しでもわかるかと、妻さんに読んでもらった。
だがTeraTermが何かわからないというところで挫折したようで、概要を私の口から説明したのだが、その嫁はんの反応に心を打ち砕かれた。
フリーソフトウェアと自由な社会 ―Richard M. Stallmanエッセイ集
- 作者:リチャード・M・ストールマン,Richard M. Stallman
- 出版社/メーカー: アスキー
- 発売日: 2003/05/06
- メディア: 単行本
ズギャァァァァーーーーーーーン
メギャァァァァァァァーーーーン
と。
私は自分が苦労しているというアピールをしたかったのではない、可哀想だと憐まれたかったのでもない、応援して欲しかったのでもない。
私が何をしているのかということを知って欲しかっただけだ。
そんな私の気持ちは理解できなかったようで、嫁はんは私の説明を聞いた後、こう言い放った。
非難する自由もあるんだな
心、メギャァァァァァァァーーーーン
確かにフリーソフトウェアのフリーは、フリーペーパーやフリードリンクの「無料」というフリーではなく、フリーダム、「自由」という意味であると説明した。
使うのも自由、使わないのも自由、不便だったら改良するのも自由、改良したものを配布するのも自由、こう言ったつもりだった。
そして、この発言はその意味をちゃんと理解した反応に思える。
非難する自由もあるんだな
私は、フリーソフトウェアは人に喜ばれてなんぼの世界だと思っていた。だが確かに、非難する自由もある。発言の自由程度には、そのソフトウェアの感想を述べる自由もあるだろう。
非難されても、その自由も相手に授けているのだと思い、無でいよう。
非難する自由すらも与えるライセンス。素晴らしい。
- 作者:ナイジェル・ウォーバートン
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2015/12/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
寛容な社会――アメリカ合衆国における言論の自由と過激派の言論
- 作者:リー・C・ボリンジャー
- 出版社/メーカー: 春風社
- 発売日: 2018/12/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)