ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

モバイル保険が無駄なんだってさ

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この記事によると、著者は太陽が西から登ってもモバイル保険の契約はしないらしい。

太陽が西から昇ることがあれば、そんな状態ではモバイル保険に申し込んでいる場合ではない。だが太陽が西から昇ると電磁パルス等の影響で機器の故障が考えられる。そうなると、ぜひともモバイル保険を契約しておきたいところ。

太陽が西から登っている最中にモバイル保険に申し込むチャンスがあり、その後、通常通り審査が行われるのであれば申し込んでおかない手はないだろう。

と、比喩に突っ込むのは良くないとは思うが、この著者の考えの偏りが渋い。




もちろん人は千差万別多種多様な考えがあるべきだが、「保険はめったに起きないけど起きれば家計が破滅しかねないリスクに備えて入るもの」であり、保険に入る場合として「発生確率は低いものの、一度起きればライフプランに破滅的な打撃を与えかねないリスクに備える場合」と言い切っている点について私は反対意見だ。

まず、その考え方の解説前に、その例として出ている内容について考えてみよう。

自動車保険に入る理由として「支払える程度の損で破滅的な巨額損失を確実に回避できる」を上げているが、これで考えるのであれば、自身で運転するリスクはどうなるのだろうか。例えば公共交通機関で移動することで自動車事故のリスクを回避することが出来る。買い物等で車を利用するのであっても、タクシーを使えばよいだろう。

タクシーが事故を起こそうが自分は関係ない。むしろ、タクシーに乗車中に事故が発生すれば、自分は保険を受け取る側、被害者側の人間になることが出来る。
保険に入る目的が「ライフプランに破滅的な打撃を与えかねないリスクに備える」というのであれば、自分で運転し、死亡事故を起こすリスクを考えれば、自分で運転しないというのがリスクへの備えだろう。死亡事故を起こし、その賠償金を払うことが出来る保険に加入していたとしても、ニュース等になれば社会的に影響を受ける。この社会的影響はライフプランに破滅的な打撃を与えるだろう。
なぜ著者は金銭的な打撃のみをリスクと考えているのだろうか。

「モバイル端末の故障で家計は破滅しない」とされているが、もし破滅するほどの負債になるのであれば自己破産により債務は免責されるし、生活が立ち行かなくなるのであれば生活保護がある。このように、日本という国ではまだ社会保障の名のもとに金銭的に破滅することはない。

破滅することはないものの、家庭に打撃を与えるのが、数万円から数十万円程度の急な出費になるのではないだろうか。
例えば契約したばかりのスマートフォンを落下させてしまい故障させた場合、最近のスマートフォンではすぐに数万円の修理費用がかかる。スマートフォンがなければ連絡がつかないので、仕事もままならない。

なので、数万円なら我慢して支払うだろう。この我慢が家庭に打撃を与える。

なぜスマートフォンを一括ではなく割賦で払うのか、車も同じく、一括ではなく分割で払うだろう。車でもスマートフォンでも、ローンで支払っている以上、所有権は持たない。だが、そのリクスを選んで分割支払を選択する。車のように数百万円の出費ならまだしも、数万円の出費が痛いからだ。

この痛い出費を保障する保険があるのであれば入るべきではないだろうか。
月額たった700円でスマートフォンの故障に備えることが出来る。こんな心の安寧はない。

かくいう私も、先日スマートフォンを水没させてモバイル保険の補償申請中になるが、たった月額700円の支払いでスマートフォン3台の修理費用を保証することが出来る。
今回であれば約18000円の修理費用であるが、この一回の保障で25ヶ月間分の支払い額以上になる。

私は今年度に入ってすでに3端末故障(うち2回はモバイル保険加入前)させているが、すべての修理費用を合計すれば、5年分以上にはなるだろう。

こんな身近で、安心できる保障はない。私は自動車保険には車両保険も含めると月数万円、死亡保険につぎ込んでいるのでこちらも数万円の支払いがあるが、こんなものよりも身近で助かるのがモバイル保険という実感だ。

そもそも、毎月700円、年間8400円、50年で42万円と計算するのがバカバカしい。

スマートフォンを利用し始めて5年以上経過する人で、故障させたことのない人はどれだけいるだろうか。社会人であれば移動中の落下等で多数の人が破損させているのではないだろうか。例え2年に一度画面を割るだけでも、私の画面交換費用の18000円を考えると保険支払い費用より修理費用のほうが高額になる。

確かに統計上画面を割る人が少ないのであろうから保険として成り立つのだろうが、家の中で使うじいさんばあさんならまだしも、若くてアクティブな人は入って置くべきだと勧められる。

つい一昨日にも、会社の先輩から電話を水没させたので対処法を教えてほしいと連絡を受けたばかりだ。
これほどにスマートフォンの故障は身近にある。死よりも身近に。

即ち、モバイル保険に入らない手はないだろう。

もちろん、モバイル保険ではなくキャリアの端末保証に入っていたほうが保証は手厚いが、キャリアの保証は1台700円程度になるので、3台保証に入ると2000円を超える。私には月々2000円は痛い。ということで、キャリアの保険を解約し、3台700円で賄えるモバイル保険に加入した。




著者は社会保険労務士のようだが、こんな考えをしている社会保険労務士を私は雇いたくはない。社会保険労務士には就業規則の作成やら様々な手続きを委託するであろうが、保険は不要だといっている社会保険労務士に「社会保険」の担保を任せることは出来ない。

金銭的な破滅的なリスクのみに対応し、会社に打撃を与える程度のリスクや、福利厚生という満足度の低下といったリスクには備えないと思えるから・・。