ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

自分の小さな「箱」から脱出する方法 アービンジャー インスティチュート (著)

あなたには是非本書を読んで欲しい。これはあなたを攻撃しているわけではない。あなたの生活が、あなたのが周りが、貴方自身が豊かに生活できる方法が本書には書かれている。あなたが自ら望んで「箱」に入っていない限り本書が役に立たない人は居ないだろう。

正直私も胡散臭く感じていた。本書をたまたまどこかのブログ記事で知ったのだが、紀伊國屋にいくと「自己啓発コーナー」に置かれていた。自己啓発本の類は少々胡散臭いと経験しているが、目次を見るだけでも本書の素晴らしさがわかり購入した。

そして一気に読んだ。どれくらいぶりだろうか。本を読んだのは。

私は本を読むことに集中できず、行を追いながらも別のことを考えたりしてしまう。だが本書では別のことを考える余裕もないほどに集中できた。別のことを考えたとしてもすぐに気づき集中に戻れた。本書を読みながら自分でも考え、自分で考えた結果読み進める。本を読むとはこういうことかもしれない。

自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

  • 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2006/10/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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人は自分を正当化してしまう。やろうと思ったことをやらなかった。やろうと思っていたのにやれなかった。やろうと思っていたが忘れていた。

やろうと思っていたことをやらなかったこと。やれなかったこと。忘れていたことなど頻繁にある。毎日あるといってもいいかもしれない。だが、その「やらなかった、やれなかった、忘れていた」ことを正当化しようとしないだろうか。

やらなかったのは「環境が悪い悪い」、「私はやろうと努力はした」。やれなかったのは「他の用事が入ったからだ」、「用事を入れた奴が悪い」。忘れていたのは「急用が入ったからだ」、「それさえなければやるつもりだった」。

どれも自分を正当化したセリフだ。やらなかったのは結局自分だ、努力したとしても結果はやらなかった。用事を認めたのはあなただ、用事を入れた人は何も悪くないあなたはやることがあることを説明したのだろうか。急用が入ったことと忘れていたこととは関連がない、急用があったとしても覚えていることは出来たはずだ。

とにかく自分に嘘をつくと(自己欺瞞)、それを正当化しようとする。その正当化の方法として自分や環境(他)を攻撃してしまう。その攻撃は事実以上に陥れ、自分の正当化のために過大に相手を悪としてしまう。一度それをすると、次回以降も更に正当化するためにドンドンと蟻地獄のように深みにハマってしまう。抜け出せなくなってしまう。


本書を読めばその意味がわかり、その蟻地獄から抜け出す方法を教えてくれる。蟻地獄から抜け出すのは簡単ではない。一度蟻地獄に入れば、自分があり地獄にいつづけるために蟻地獄の中で生活しようとしてしまう。他を蟻地獄に引き釣り落とし餌としてしまうのだ。それは本来あなたは望んでいなかったはずだ。だが一度自分を欺くとそうせざるを得なくなってしまうのだ。


私は蟻地獄が快適で、蟻地獄を持ち歩き、自ら蟻地獄に飛び込んでいた。そのことに気付かされた。二度と蟻地獄に落ちないように行動しよう。