ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

図解「儲け」のカラクリ 最新版―お金を生み出す「しくみ」「裏ワザ」105 インタービジョン21 (編集)

本書は「儲け」ではなく、主には原材料費、原価に焦点を当てた書籍になる。

その原価を販売価格から引くことでいくらの利益が上がるかと逆説的なタイトルだが世の中の原価を知るにはいい本かもしれない。例えば10円や20円の駄菓子があるが、あれでどのように利益を出すのかというアホな疑問を持つサラリーマンには本書を読んで欲しい。駄菓子は店舗からすると確実な利益を出す優良アイテムだ。それがわかっていないのは経済というものをわかっていない。

だが本書を読み原価を知ったところで、「ボロ儲け」と考えるバカがいるとしたらそれも危ない。危なかろうがバカはバカなのでどうでもいいかもしれないが。

図解「儲け」のカラクリ 最新版―お金を生み出す「しくみ」「裏ワザ」105 (王様文庫)

図解「儲け」のカラクリ 最新版―お金を生み出す「しくみ」「裏ワザ」105 (王様文庫)


私は以前にスパゲティ屋の店長をしていた人間からこのような話を聞いたことがある。

「スパゲティの原材料費など100円もいかない。そんなものを800円も出して食べる気にはならない。」

こいつは結局店長を解任されたようだが、解任された理由がわかる。経営や経済というものが全くわかっていない。最近はこのようなサラリーマンが非常に多い。そのような人間がサラリーマンとして働けていることを疑問に思うが、結局は日本人全員がアホになっていっているのだからこれでバランスがとれているのかもしれない。

なぜこれがバカバカしい内容か解説しようと思ったがしない。これがわからない人は一から経営や経済について勉強して理解して欲しい。


私も以前にカフェのオーナーをしていたことがあるが、その店をまかせていた人も同じような考えであった。そのような人間に雇われているスタッフも同じ考えだ。それではその店がやっていけるわけがない。実際として店がやっていけなくなり閉店する予定となっていたものを私が買ったので私がオーナーとなり店を立て直した。

やったことはその考えの間違いを正すことだ。例えば100円の原材料費のものを800円で出しても赤字かもしれない。きちんとすべての計算をさせる。計算させた上で値段を付けさせる。そして自分の給与やスタッフの給与も同じようにして計算させる。グラスや皿、フォークやスプーンだけではなく椅子や床、モップやトイレットペーパーまで全てについても同じように計算させる必要がある。

そうするとその値段が相応なことやそれでも安いことを理解してもらえる。それを理解するということは少なからず経営を理解するということだ。それを理解していなければ経済主体を営んでいくことは出来ない。経営とはそういうことだ。


簡単には、最近のファミレスでは割り箸かPBTで出来た箸が主要なようだが、どちらにどのようなメリットがあるのか。割り箸は使い捨てで確実にコストがかかるが洗浄費はかからない。PBT箸は毎回の固定コストはないが洗浄等のメンテナンスと一定期間毎の交換が必要になる。これはどちらがその店に向いているのかは一意に決まるものではない。その店に合わせて計算をする必要があるのだ。


本書には直接的にこのような考えが書かれているわけではないが、このような考えを持ち直すきっかけはくれるかもしれない。ぜひ読んで欲しい。