ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

干した布団の匂いがダニの死骸の匂いだって? バカなの?

タイトルの話題を昔に一度聞いたことがある。

前職のデザイナと会話していた時に「家庭内の物は紫外線で殺菌したほうがいい」という話からであったかと思う。その話をしていると、「布団を干した時の匂いはダニの死骸の匂いなので気持ち悪い。布団は干さないほうがいい」というわけのわからない論理を立ててきたのだ。

そのデザイナは今までの記事にも度々登場しているが相当なアホなので相手にしていなかったのだが、その理論がおかしいことは考えないでもわかるかと思う。

論理のアホさは置いておいておき、もし、匂いが「ダニの死骸」から出たものであったとすれば布団はどんどんと干してダニを殺したほうがいいのはわかるかと思う。この内容は、「歯磨きをすると口の中が菌の死骸でいっぱいだ。気持ち悪いから歯磨きをしないほうがいい」と言っているのと同じだ。


そして当のその「ダニの死骸の匂い」の理論だが、こんなバカな話はない。だがしかし、今日に図書館で高校生と思わしき学生が同様の会話をしているのを聞き、このデマ的な話は一般的に普及している話題なのかと思い調べてみた。

そうすると出るわ出るわ。このガセネタ的なものが一般通念として広まっているようだ。


なぜこんなことすら考えないで鵜呑みにするような奴がいるのだろうか。納豆を指定回数かき混ぜたらダイエットに効くというような物を信じるのと同じくらいアホの骨頂であるとしか考えざるを得ない。

まず紫外線を浴びせるとダニが死ぬかどうかという事だが、これは真夏であれば死滅する可能性が高いが、冬季のような布団の温度が上がらない時期には死滅する可能性が少ない。ダニも紫外線を浴びると死滅するかと思うが、ダニも生きているので紫外線が届かない布団の奥に入り込んでしまう。そうなれば紫外線では死なず、日光に当てて高温になった温度で殺すしか無い。これは布団乾燥機が高温モードでダニを殺すのと同じ理屈になる。


そして、もしもそのダニが死滅して布団に残存しているとしても、その死骸から鼻に感じるほどの臭気を出すわけがない。

まず、ダニは1ミリ以下の節足動物である。同じ節足動物としてクモ綱に分類されている動物である。ココではわかりやすい用に大きめの動物で考えるとし、1センチほどの蜘蛛を考えてほしい。蜘蛛が死んでいるとし、その死骸から匂いは発されているであろうか?答えは否、匂いを感じることはない。

哺乳類は外皮が薄いため死ぬと腐敗が早く、比較的早めに臭気が発生するが、それでも死後数日が経過してからである。だが節足動物の多くは硬い外皮に覆われており、腐敗が始まったとしても内部的な腐敗から始まり、臭気が外部に発されることは少ない。しかも、小型であるためにその臭気も極僅かなものになる。

もしダニの臭気が死後すぐに発せられるにしても、ダニの大きさから考えて、布団に潜んでいるダニを全て集めたとしても1立方センチには遠く及ばないはずである。その大きさの蜘蛛の死骸の臭気に気づかないにも関わらず、分散している死骸から臭気が漂うわけがない。

そもそも匂いとは死骸から蒸発した水分などが漂って分子として鼻にとどけられるので、1ミリ以下のダニから発せられる臭気など極僅か以外の何者でもない。


このように考えこまなくても、ちょっと考えればわかるような内容すら考えずに信じこみ、それを他者に発信するというのは暴挙以外の何者でもない。そのように情報を発信している人たちは世間体から信じてもらっていると思っているかも知れないが、相手からはバカにされているかも知れない。

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