ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

テトラポッドに札束を 和佐 大輔(著)

ランニングついでに書店で起業コーナーを見ていて本書を発見。タイトルは特に気にならなかったが帯を見て購入。評判になっていることは、今この読書感想文を書く時に著者のことを調べて知った。

一言言えるとすると「非常に胡散臭い」。著者のことを知らなかったので少々調べてみたらさらに胡散臭さが増した。胡散臭さは「和佐大輔」で検索するか本書を読んで確認して欲しい。

著者の胡散臭さは置いておいたとしても、本書は「著者の経験」と「このように儲けた(このようにすれば儲かる)」という二つのエッセンスを無理やり組み込もうとしているように感じ、著者について浅く知りたい人であればまだしも、片方を知ろうとしている方や、私のように何も知らない状態で本書を読むと非常に中途半端に感じる。どちらともが不完全なのだ。
さらに、本書を使って著者や現在の活動の広告をし、CM本のようにも感じられた。

胡散臭さの源としては、著者は自分のことを「成功者」と思っているようだが、それであればその経験や考え方だけを書けばいいかと思う。だが、「半身不随」という「第一級障害者」で有ることを何度も表現し、それを利用しているように思える。Webで検索した結果もそのような「障害者」であることをアピールしているように思えた。もし、自分の経験や考え方、経営手法を知ってほしいのであればそのことだけを書けばいいと思うし、写真もバストアップのようなものでいいかと思う。
車椅子を押してもらっている写真を大きく何枚も掲載しているがそれが非常に不快に思えた。私の周りにも「身体障害者」や「知的障害者」が何人かおり、その人たちとは普通に付き合いがあるがために、このように「障害者」で有ることをアピールするのは不快に思えてしまう。

著者は本書の中で「わざと嫌われる行動をしている」という表現をしていたが、これもその行動の一つなのであれば著者は自身の環境をフル活用して自身をプロモーションしている。ここまで徹底的にプロモーションするのであれば著者の営業力には感服する。

テトラポッドに札束を (単行本)

テトラポッドに札束を (単行本)


どのような本でも先入観では読んでいけないと思い不快に思いつつも全て読んだ。大半の内容は上に書いたように何度も同じ事を書いているように思えたが、一点気になった部分があった。どのような書籍であっても、一行でも気になる部分があれば、その書籍は読んでよかったと思える。本書もそういった意味では読んでよかった。

P82.
それは、
「創造力(想像力)」
です。
僕はよく、
「創造力の限界は想像力で決まる」と言っていますが、まさに、これからの時代に最も重要な力は「想像力」と「創造力」なのです。

これは日頃からそう思っている。今までの記事にも何度も書いてきたが、今置かれている環境は今まで自分で行なってきた行動で決まっているのだ。今まで自分が行なってきた行動の結果が今の自分であり、今の自分の環境なのだ。

では、より良い未来にはどうしたらいいか。それは自分の未来を想像し、創造するしか無い。不平や不満をいい連ねても未来は変わらない。未来を変えるには自分で行動するしか無い。

人生以外にもそうだ。Webサービスを作るにしてもどのようなサービスを作るか「想像」しなければならない。その「想像」したものを「創造」するのだ。自分が「想像」も出来ないサービスなど作り始めることもできない。私はよく人から「お前の行動は想像できない」といわれるが、それがいかに馬鹿らしい言葉なのかわかっていないのが哀しい。「想像できない」という事は自分の知識のなさを自慢しているようなものだ。

人は自分の知識の中でしか想像できない。想像力を上げるには知識を増やすしか無い。だからこそ私は「本を読め」と言う。

本書も不快に思う部分はあったが、著者の10年間の経験を1000円を払い、1時間という読書時間で教えてくれたのだ。自分で経験するのには限界がある。だからこそ人の話を聞き、本を読み、自分の知識を増やし、その中から想像し選択し生きていくのだ。


いい人生を。


テトラポッドに札束を (単行本)

テトラポッドに札束を (単行本)

「悩み」は「お金」に変わる (角川フォレスタ)

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