ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

「忙しい」という人ほど、実はヒマである理由 あらかわ 菜美(著)

これはいい。面白い。時間への考え方を再認識できる。

私は著者を男だと思っていた。男の考え方だと思い、男の文章だと感じていた。
私がこれまでの記事にも書いているような「忙しい」と言う事への言い訳や、同様の考えを著者は持っていると感じていた。だが、本書を読み進めている際に何箇所かで気づいたのだが、著者は女であった。検索するとアグネスみたいな人が出てきた。

これには感動した。私は男の考え方であると考えていた内容を女が考えているのだ。男の考え方で、女の考え方とは違うと感じていたが著者は女である。女も同様に考えているのだ。これは私の考えを「女の目線」でも肯定してもらえたようで嬉しかった。

是非とも、日頃から「忙しい」と口に出している人、口に出してはいないが「忙しい」と思い込んでいる人に読んで欲しい。実際として「忙しくない」や「忙しい環境を自分で作っている」と言う事に気づいてもらえるかと思う。

「忙しい」という人ほど、実はヒマである理由~よけいなモノや考えはあなたの人生から幸福を奪う~

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本書を読んだ否定的な意見として、「忙しい」と言う事を全否定していると読まれているようだが、ほとんどが実際にそうなるかと思う。実際に忙しい人はわずかであるし、もし本当に忙しい環境である人がいたとしても、その環境は自分に原因があるのかと思う。

本当に忙しく働いているのであれば、それは会社からそれほどの重要な仕事を任されているのかと思う。なのであれば、自分の秘書や、作業を行う補佐をつけて貰えるはずだ。つけてもらえなくても自分でつければいい。
忙しく残業し、残業時間が100時間を超えているような人であれば、その残業時間で事務スタッフを一人雇える。会社としてもそのほうが「残業」と言う行為をさせずにすみ都合がいい上に、忙しく働かせないで済むので作業の品質も上がる。また、その補佐をつけることで別の仕事を任せることも出来る。いいことずくめになる。
だがそのようなことが出来ず単に自分の仕事に負われているだけであれば、会社からそれほど期待されていないという事を実感して欲しい。自分が仕事ができないから「忙しい」のであり、「忙しい」と思い込んでるがゆえに「忙しく装っている」だけになる。癖で「残業」をしているだけなのだ。

仕事ができないがゆえに出来る人の補佐を任されているだけなのかもしれない

P31.
忙しい人は、この「段取り」と「優先順位」を考えずにいきなり始めてしまうものです。
ですから、その仕事がどのくらいかかるかわかりませんし、いつ終わるのかもわかりません。いきあたりばったりで始めるので、ムリやムダもたくさん生まれます。他にしなければならない案件が発生すれば、何も考えずにそちらを優先したり、手付かずのまま後回しにしなりします。

これは実感している。

仕事ができない人に「作業スケジュール」を聞くと、大抵「わからない」と言う返事や、曖昧な返事を貰う。無理がわかるスケジュールや、あまりにも余裕を見すぎているスケジュールなど聞いても仕方がない。

このように、スケジュールを立てることができないがゆえに終わりが見えず、常に行う作業に追われ「忙しい」と思い込んでいるのだ。スケジュールを立てることが出来れば、次の作業にとりかかる時期を調整することが出来る。そうすれば、自分で空き時間も作ることが出来るのだ。

スケジュールをきちんと組めれば残業なども必要ない。残業や土日出勤を前提としたスケジュールを組む事自体が間違っているのだ。

P33-34.
「毎日残業で、いつも終電帰りだよ」
「土日も出勤で、ほんとうに忙しいよ」
こんな言葉をよく聞きます。
でも、仕事が出来る人がこんなセリフを聞いたら、口では「へえ。大変なんだね」といいながら、内心ではこう思うことでしょう。
「ふーん。この人はそんなにソごとができないのか」と。
残業は、単なるクセなのです。
ちょっとでも仕事が立て込んでくると、「残業すればいいや」「土日やればいいや」と考えて、効率的に仕事をする努力をやめてしまうのです。

これは私も行なっていた時期がある。

前職では月の残業時間が150時間以上あることが当たり前となっていた。この時にはどのような作業が入ってきても残業があることが当たり前になっていた。だからこそ、どのような作業が入ってきても「残業して作業する」と言う事を前提として作業を受けていたのだ。
数カ月してから体調を崩すものが続発し、これではダメだと2班制で出勤時間を分けて対応するなど調整した。班分けし、今まで当たり前に残業していたことが許されない環境にした。そうすると、皆の意識が変わったのか時間内に作業することが出来るようになった。
それまでは確かに残業する必要があったこともあるかもしれない。だが、毎日する必要は無かったはずだ。だが、「残業が当たり前」になることによって、残業することを前提にスケジュールを組んでしまっていたのだ。


「忙しい」と思っている人や、「もっと時間が欲しい」と思っている人、「時間管理」が出来ていない人には是非とも読んで欲しい。きっと、自分の間違いに気付けるはずだ。

本当に面白い。


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