ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

波紋と螺旋とフィボナッチ 近藤 滋(著)

書店で生物学のコーナーを見ていて、タイトルからフィボナッチ数の解説書かと思い購入。

結果から言うと本書はフィボナッチの解説書ではなかった。「植物は全てフィボナッチ数で表すことが出来る」というような、生物や植物がどのようにフィボナッチ数と関連しているかが書かれた書籍になる。

それがまた面白い。単なる数学書と違い著者のサッムイ冗談が交えて解説されている。いや、謙遜ではない本当にサッムイ。9割5部は寒い。

だが、そのような冗談交じりに解説されていることによりずっと緊張して読み続けることがなく非常に読みやすかった。


植物がどのようにフィボナッチと関連づいているかもわかりやすく記されており、またそれによって「植物は全てフィボナッチ数で表すことができる」と言う事の矛盾点も解説されている。

アラン・チューリングチューリングパターンについても細かく解説されており、チューリングの業績についても簡単に説明されている。チューリングのことを知らなかった人が、本書を読みチューリングの功績を知ってもらうことが出来たのであれば、チューリングファンの私としても嬉しい。

本書は数理モデルの解説など多彩な内容を扱っているので一言でどのような内容かを説明することはできないが、物理や生物学に興味のある方であれば興味外の内容であったとしても読み物としても面白いと思う。


著者は動物の模様についてチューリングパターンを適用させたモデルを発見した人物であるらしい。そんなことを知らない私が読んでも大変面白い書籍であった。

内容に数式を用いて解説されている箇所があったが、そこはよみ飛ばしても問題なく理解が出来た。

フィボナッチ―自然の中にかくれた数を見つけた人

フィボナッチ―自然の中にかくれた数を見つけた人

  • 作者: ジョセフダグニーズ,ジョンオブライエン,Joseph D’Agnese,John O’Brien,渋谷弘子
  • 出版社/メーカー: さえら書房
  • 発売日: 2010/09
  • メディア: ハードカバー
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不思議な数列フィボナッチの秘密

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黄金比とフィボナッチ数

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