ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 井川 意高(著)

井川意高を知っているだろうか?テレビや週刊誌などでは「ギャンブル中毒の糞経営者」として風評を流されまくっていたあの人とである(私はテレビや週刊誌を見ないので風評をほとんどしらないが)。

井川意高は106億8000万円を、自らが会長を務める大王製紙の子会社などから不正に借入れ、全てをギャンブルで溶かした張本人だ。

本書はその張本人が記した懺悔録である。

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録


久しぶりに面白い本を読んだ。最近は実用書を多く読んでいたので、このような書籍はほとんど読んで来なかった。

本書を読んだ感想としては「面白い」以外にはない。事件は知っているがその経過を見ており週刊誌などの事実歪曲の記事は読んで来なかったので、著者に「犯罪者」として興味を持つことはなく、単に本人側からの経過を知りたいと思い本書を読んだ。

やはり世間の言うところの「犯罪者」とは違った犯罪者であった。本書にも記載があるが、佐野眞一の書いたフィクション記事とは大きく乖離があった。これは井川意高の一方敵な言葉ではなく、その根拠もキチンと説明されている。ニュースを見てそれを間に受けるバカもいるようだが、そのような人たちには是非とも本書を読み、いかに自分がバカかをわかってほしい。


本書は著者の経験からギャンブルとはどういうものか、人間をどう壊していくかを刻々と綴っている。ギャンブル中毒はWHOからも「病気」として認められているが、その「病気」がどのような心理的側面を持っているのか垣間見ることが出来るかと思う。

本書は実用書では無いのでその内容について綴ることはないが、実用書以外にも面白いと思える本がある。と言う事を再認識させてくれた。

久しぶりに実用書以外の書籍もいくつかかってみようかと思う。

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録

トップの暴走はなぜ止められないのか

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