ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

保険会社が知られたくない生保の話 後田 亨(著)

昨日に「保険に入るバカ」と言う記事を書いたが、私の書いた内容に根拠になる数字が書かれていないことに批判を受けた。記事中にも書いているが、私は、「同じ数字でもいかようにでも解釈できる」と言うことを伝えたかった。それが保険勧誘の怖さであるという事も含めていたつもりだ。

だがそれがうまく伝わらなかったのか先の批判を受けた。「根拠になる数字を出せ」と。数字は出していないものの計算している旨は記述しているのだが、どうしても納得をしたくないのか、自分で調べて計算できないほどバカなのかわからない。なので数字を紹介してやろうと調べていると本書を見つけた。


本書は素晴らしい。

帯に「保険嫌いは以外に正しい」と記載があったので、先に書いた記事に該当する内容かと思い読んだ。まさに私が言っていたことがそのまま書かれていた。

私が書いた記事は私の知識と私の感想の集合体でしか無いが、本書はそれらの内容について数字を元に解説されており、また保険屋の知識としての根拠も合わせて解説されている。著者は日本生命の営業として10年、保険代理店として7年、2012年より「保険相談室」の代表として保険に関わり続けてきている人物だ。

私の記事が気に食わないとしても、約20年保険に直接関わり続けた方の知識と数字が本書には書かれている。

本書は保険を検討している人や、保険に加入している方に事実として知ってほしい内容になる。本書を読んでも「それでも保険は必要だ」と思う方もいるかと思うが、私のように「保険に入るのは馬鹿」と思う人も出てくると思う。


本書は私が書いた内容がほぼすべて網羅されている。それに加えて著者の保険のオススメ商品も記載されており、「保険が好きな人」も参考に出来るかと思う。

私の考えが網羅されていることは帯にあったような「保険嫌い」の人の典型的な思考になるのかもしれないが、ライフネット生命の「就業不能保険」が本書でも紹介されていることに驚いた。

私はこの「就業不能保険」を知った時にこの保険の素晴らしさに驚いたが、著者は平然とこの保険が当たり前のように紹介している。本書では生命保険の他にも色々な保険の記述があるが、この「就業不能保険」が紹介されていることに驚き、また、この保険が紹介されていることで私と考えが一致していると考えることも出来た。


本書は今後知人に勧めていく書籍の一つに加わるであろう。先の記事に書いたように、保険料を払うくらいであれば、病気にならないように自己投資をする方が懸命に思える。自分の死後に家族を心配するのであれば、ちょっとした現金を残すよりもそれを稼ぎ生活していけるような能力を家族に持たせたほうがいいと再認識できた。

先の記事のように本書を批判する人も多いかと思う。だがそれは現実の数字を受け入れられないくらいに保険料を払い続けてきた人たちだと思う。自分がそこまでに保険料を払ってきたがゆえに、この書籍の内容を受け入れることが自分の行動を批判することにつながり、理解できないふりをしたいのかと思う。
今この瞬間に本書の内容を受け入れ考えなおすことでこの先を変えてゆくことも出来るのだが、保険はギャンブルと同じだが故にギャンブル中毒と同じようにのめり込んでしまい、後戻りできないところまで言ってしまうのかと思う。


本書でもわかりやすい例えがあった。

P22.
「保険は、当たりたくない『宝くじ』や競馬の『馬券』のようなもの、宝くじや馬券を買い込んで『いつかきっと当たるから、何があっても安心』とする人がいたら問題でしょう?」。


これを理解できた瞬間から、保険の本当の魅力がわかるかと思う。

決して本書は保険を批判する書籍ではない。保険の意味を考えさせてくれる書籍である。

生命保険のウラ側 (朝日新書)

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生命保険のカラクリ (文春新書)

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