ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

3日で受かる。日商簿記3級勉強法

いや、そんな勉強法はない。普通に勉強すれば日商簿記3級は3日もあれば十分に合格できる。試験が日曜日であれば、土曜日1日の勉強でも十分かも知れない。


勉強法といいつつ勉強法は書かないのは何なので、私が思う勉強方法を書きたいと思う。

まず、世間一般の勉強法としては「ノートに写経」、「練習問題を繰り返す」、「丸暗記」と言うアホみたいな勉強法があるかと思う。私からすればそんなもの全てアホの勉強法だ。

理由は単純。全て時間のムダ。


「勉強ができない」と思っている方の多くが「自分は頭が悪い、だから勉強できない」と思い込んでいるのかと思う。だがそんなことはない。
それらの方々は「頭が悪い」のではなく、「勉強方法を知らないだけ」だと理解しておいて欲しい。

喩え話をすると、50メートルを走るのに8秒かかる人がいるとする。その人はなにも運動能力が著しく低いわけではなく、「早く走る方法」を知らないから「早く走れない」というだけになる。
正しいコーチに走り方を指摘してもらえば7秒を切ることも十分可能になる。だからこそ一流のスポーツ選手は一流のコーチを雇う。どれだけの素人でも、一流のコーチに教えを乞えばそれなりのことは出来るようになる。

バッティングセンターでヒットが打てない人も、経験者にバッティングの基本を教えてもらえば打てるようになるのと同じなのだ。「打てない」のではなく、「正しい打ち方を知らない」だけなのだ。

脳に悪い7つの習慣 (幻冬舎新書 は 5-1)

脳に悪い7つの習慣 (幻冬舎新書 は 5-1)


自慢出来るものでも誇れるものでもないが、私は今までに何度か情報処理試験対策講座やプログラミング講座の講師を行ったことがある。だが、それらの受講者の多くはホワイトボードに書いたことを一生懸命に丸写ししたり、念仏を唱えるようにブツブツいい丸暗記しようとする。

それらの人にはココに書いてあることを同じように伝え「勉強の仕方」を知って貰っている。世間ではノートに書かれた内容で評価をするアホな教師や学校があるようだがそんば馬鹿馬鹿しい思い出は捨て、正しい勉強法を知ってほしい。

学校での評価やノートに書くことが勉強の一般論として氾濫しているようでは私の勉強法に異を唱えたくなるかもしれないが、少なくとも私はこの勉強法で日商簿記検定3級を10時間かからずに合格点を出すことが出来た。


代表的な2つの勉強法について、それらが何故まずい勉強法なのかを説明したい。

ノートに写すな

これは先に書いた私が講師をしていた際にも、喫茶店で勉強している際にも、図書館で勉強している際にも、とにかく多くの方々が一生懸命にノートに写している姿を見る。

まずノートに写している方に考えて欲しいのは、「なぜノートに書く必要があるのか」ということ。大概の方は「勉強というのはノートに写す事」であると勘違いしているだけで、その行為に理由を持っている方は少ないと思う。

それ以外の方は大別すると2つの理由に分かれる。

教科書の重要な箇所をノートにまとめる

これが一番多いかな(当者調べ)。

そこで確認したいのだが、重要な箇所をまとめてどうするの?

教科書に書いてあることをノートに写しても全く無駄である。時間のムダ。そもそも主要な箇所をまとめ自分で記憶していると思っているのかも知れないが、ここには大きな勘違いがある。

たしかにノートに写すことで視覚からだけではなく体を使い記憶するという刺激があるかも知れないが、ノートに写している方々の多くは教科書の内容をカラフルなペンを使い、綺麗に整理してノート書き込んでいるかと思う。これでは、重要な箇所を「書いて覚える」ことはできない。

ノートに書くことが目的となっており、教科書の内容に注意を向けるのではなく、「どのようにすれば綺麗にかけるか」ということを考えながらノートに写しているだけになる。「重要な箇所は青」、「間違えやすいところは赤」のように「ここは何色か」と考えてノートを書いていては「年号は青」と言う事は覚えていても、書いた内容にまでは気が向いていない。


また、ノートに綺麗に写したとしても「ノートで勉強」しているだろうか?

ノートに熱心に移している方々はよく見かけるが、ノートをじっくりと読み、ノートで勉強している方々を見たことがない。これは「ノートに写していることは全体の一部」だからであり、全体を把握するには結局のところ教科書を読んで勉強しなければならない。

重要だと思いノートに写したかもしれないが、ノートに写した時点でそれは重要でなくなっているのだ。重要だと思えば教科書に補足情報を書いておけばいい。そうすればノートを開かなくても重要箇所を思い出すことも出来る。

教科書に書きこむことが気が引けるなら「読む用」と「勉強用」として2冊の教科書を買えばいい。教科書なんて安いし、それを払う余裕もないなら1年先輩から譲ってもらえばいい。

丸暗記

これも無駄。丸暗記ではなく、その回答になる理由を覚えよう。

また喩え話を持ち出すが、九九を丸暗記するとする。今では簡単かも知れないが、小学校の当時にはなかなか難しかったかもしれない(記憶なし)。

だがしかし、九九は丸暗記しなくても足し算さえわかっていれば答えを出すのは可能である。

9*9=81

は、

9+9+9+9+9+9+9+9+9=81

で代替可能である。たしかに計算には少し時間がかかるが、丸暗記する時間とその誤りの可能性を考えると、掛け算の理屈を知りその理由を知っていることが大事になる。


日商簿記であれば、いくつかのテキストを見ると損益計算書と貸借対照表の図を覚えるところから始まっているのが大半出あった。

記憶というのは不確かで、ど忘れのように試験当日には思い出せなくなるかも知れない。だからこそ、その図になる理由を把握しておけばどこか1箇所でも覚えていればあとは理屈から図を組み立てることが出来る。


私の覚え方はこうだ。

まず、貸借対照表は「お金の貸し借りを表している図」という名前から読み取れる情報で理解し、「お金の貸し借りという事は手元のお金と、人から借りているお金」ということになり、資産と負債の表であることをすぐに理解できる。

次に借方と貸方のどちらに入るかという事だが、これも理屈として、基本的に会社は借金だけでは成り立たないので資産から負債を引くと考える。

資産 - 負債 = 純資産

このように考えると自動的に図の左側が資産であると当てはまる。そもそもココまで考えなくても「貸借対照表」という名前から、貸すと借りる、左が貸す(資産)、右が借りる(負債)ということからも簡単に思い出すことが出来る。
丸暗記ではなく、このように理屈を知っておけば「暗記」していなくてもその理解から思い出すことが出来る。

次に損益計算書だが、これは次のように考える。

「費用は資産から出る。」

ということは、費用を使うと資産が減ることになる。要するに費用が右側「貸方」であれば、費用を使えば資産が増えることになるのでおかしい。よって、費用は資産と同じ側、左側「借方」でなければならない。
またこれも貸借対照表と同じように「損益」、左が損、右が益としても単純に覚えることが出来る。


丸暗記していてはそれを忘れた時点でおしまいだが、「考え方」というものはそんな簡単に忘れるものではない。忘れていても考えることで思い出すことが出来る。それが「考え方」なのだ。



長くなったのでココまでにしておくが、このような理屈から「学校でやってきた勉強法」は「やり方がまずい」と言う事がわかって頂けたかと思う。世間としては「東大式勉強ノート」のように「ノートを書くことが勉強」という風潮を広めたいようだが、それは「ノートを売る」という経済活動でしか無い。それを理解しておいて欲しい。


教科書(テキスト)の選び方

また、勉強法以外にも教科書(参考テキスト)の選定も重要になる。

多くの方が勉強のテキストを「絵がついててわかりやすい」とか、勉強する前から立ち読みして「詳しく説明してあって分かりやすそう」という理由で購入するかと思うがこれらは全て真反対だ。

たしかに絵が付いている教科書はこれから勉強する分野については魅力的に見えるだろう。だがそれは完全に出版社の罠に引っかかっているだけになる。絵が書いてあったとしても、その絵がその教科書の内容にマッチしているかが問題だ。ただ単にマスコットキャラのように絵が付いているだけでは、その絵は教科書のかさ増し以外の何者でもない。描かいてある分余白が多くなり、同ページ数の他のテキストに比べると内容が薄くなっているのだ。

そして、勉強している最中にもその猫なのかロボットなのかわからない様なキャラクが登場し勉強の邪魔にまでなってしまう。


同様に「詳しく説明してある」というのも不要で、詳しく説明されているのは序盤だけで十分だ。序盤も詳しく説明されていなくてもいい。この理由は、勉強する前には「何も知らない」状態なのでそのようなテキストを見ると「わかりやすい」と勘違いするかも知れないが、勉強を進めるに連れてはそれらが鬱陶しいくらいに重複した親切過ぎる説明になってしまう。
一度説明されているものは以後説明されていなくて良い。先のように何度も説明されているとその分内容の薄いものになってしまう。

教科書は勉強するためのものなので、不要な記載がなくシンプルで、必要なことが書いてあり、ちょっと難しいくらいが丁度いい。勉強を始めてみれば「ちょっと難しい内容」が理解できるようになるのだ。それを理解できるように勉強するのだ。その「ちょっと難しい内容」が無く、常に簡単な内容しか載っていなければその教科書を読んだ後に、難しい他のテキストをもう一度読まなければならない。


また、最初に「試験対策テキスト」を読んでもダメだ。「試験対策テキスト」はその名の通り「試験に合格するため」のテキストになる。日商簿記の試験対策テキストであればいきなり試験範囲の学習から始まっているが、これでは「簿記とは何か、何故必要か」と言う事が理解出来ずに勉強を進めていくことになってしまう。
これでは上に書いたように「これは何に使うのか」と悩んだ時に理由がわからず単なる「暗記」となってしまう。「それを何に使うか」ということを分かっているからこそ、それをどのように動かせばいいのかが把握できるようになるのだ。

だからこそ簿記の勉強をするのであればまずは「簿記とは何か」という「日商簿記」とは関係のないテキストから読み始めることが重要になる。

私であれば、以下の順で2冊を読み、その2冊を読むだけで10時間の勉強で日商簿記3級の模擬試験に合格できる知識を得ることが出来た。





まずは、「簿記入門」で「簿記とは何か」と「簿記の目的と流れ」を理解し、「日商簿記」の教科書で簿記を勉強する。ここも「試験対策」テキストではないことが重要だ。上述も「完全理解」とあるように、試験の傾向だけではなく全体的に理解できていることが重要になる。

「なぜそうなのか」を勉強の中で知ることが大事なように、勉強する上では「正しい勉強方法」を知ることが大事になる。


だいぶ長くなってしまったがこれが私の勉強法だ。日商簿記3級の勉強法や内容に悩まれている方がいればお手伝いできるかも知れないのでコメントを欲しい。


あくまでもココに書いた方法は私が思う「正しい勉強法」であり、十人十色でその人に向いた勉強法があるのは確かになる。だがこの中で一つでも、一文でも考える内容があればその内容を実践して試して欲しい。

あなたが正しい勉強法を身につけることを願っている。



私も簿記の勉強テキストを作ってみようかな。そこらに売っているテキストより充実した内容が作れると思うのだが。だれか300万円くらい投資してくれないかな。

バグる脳 ---脳はけっこう頭が悪い

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