ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

職業、ブックライター。 上阪 徹(著)

ブックライターと言う職業について聞いたことはなかったが、作家系の仕事であろうと思い、サブタイトルの「毎月1冊10万字書く私の方法」に惹かれて購入。

まず「ブックライター」とは、世間で言うところのゴーストライター、平たく言うところの代理作家のことであった。著者は本書でこの「代理作家」という職業についての解説や、その職業に就くための方法、その職業で必要なスキル、その職業の仕事内容などを解説されている。

だが、本書の内容に「文章を書く技術」等の技術関連のことは書かれておらず、また、「文章の考え方」のようなものもない。本書は単に著者がどのように考え、行動し、ブックライターという仕事をこなしているかが書かれている書籍になる。

職業、ブックライター。 毎月1冊10万字書く私の方法

職業、ブックライター。 毎月1冊10万字書く私の方法


世間ではゴーストライターという言葉にマイナスのイメージがあるようだが、本書を読めばそのゴーストライター、いや、代理作家という職業についての認識が変わるかと思う。

世間ではゴーストライターは著者の代わりに勝手気ままに作文しているようなイメージがあるようだが、実際に著者となる人物に10時間以上も取材を行い、過去の著書やインタビューを読み、それらから著者の考えやその背景を知り、著者の考えを代筆する職業なのである。

決して負のイメージではなく、逆に代理作家がいることで著名人の著書が一般に販売されるようになっていることを喜ばしく思うべきなのである。


先にも書いたが、本書は「作文」についての考えは殆ど無く、参考になる部分といえば「原稿用紙250枚を書くのではなく、目次を作り、その50本の目次について原稿用紙5枚づつ書く」という程度になるかと思う。

他にもインタビュー方法などの記載はあるがそのへんは読者諸氏にそれぞれのやり方や考え方があるかと思う。


著者は相当に儲かっているのか「俺は月に一冊以上書かない」や「営業したことがない」、「愛車にドイツ車を2台」、「高級住宅街が気に入ったので住んでいる」という様な文章が散見されるので、そういう文章が来に触る人からすれば「むかつく」書籍になるかも知れない。

私は特に不満には思わなかったが、読みながら「そう感じる人もいるだろうな」と思いながら読んでしまった。それ程にタイトルとは関係の無い内容が散らばっているように感じる。

また、著者は本書の中で「文章を書くのは得意ではない」と書かれているが、この散見された内容と同じことが何度も繰り返される内容から、その「得意ではない」と言う理由が理解できた。だがしかし、本書を読めば「このくらいの文章力でも本をかける」と言う自信にも繋がるかも知れない。


あれ、私でも作家になれるかな。

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

論理が伝わる 世界標準の「書く技術」 (ブルーバックス)

論理が伝わる 世界標準の「書く技術」 (ブルーバックス)

武器としての書く技術 (中経出版)

武器としての書く技術 (中経出版)

調べる技術・書く技術 (講談社現代新書 1940)

調べる技術・書く技術 (講談社現代新書 1940)