ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

税金が投入されるという事

ちょっとばかし疑問に思ったことがあるので書く。

発端は今日の朝に久しぶりにTwitterを見ていたことに始まる。一昨日からTwitterと連携するアプリケーションの制作をしているのだが、その関連でたまたまTwitterを見ていた。

そうすると次のTweetRetweetされてきた。

なんていうか、この人はバカじゃないのかという感想しか無い。私はこの人個人を攻撃するつもりはなくて、単に「こういうバカな人って多いよね」って思う話になる。


脱原発にしても、環境問題にしても、何にしても何かを主張する人にはバカが多い。本当に論理が通っている人はごく僅かで、大半の人は自分のことを棚にあげて他者を攻撃することしか考えていない。

脱原発派や環境問題提起のバカの人達についてはまた別の機会に記事にしたいと思う。

日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか (PHP新書)

日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか (PHP新書)


上の記事の内容に戻ると、なぜ「税金が投入されているからという理由で、それを自分の思い出にしたり、自分の自由な感想を言ってはいけないのか」ということ。

そもそもにそれが税金を受け取る際の契約として、「個人的な感想は持たず、感情も抑止し、全ては税金提供者や納税者の皆々様の意に沿う内容の行動、発言しかしません」という内容を交わしているのなら別だ。だがしかし、これが契約の問題にならない以上はそのような契約は存在しないと考えざるを得ない(もちろん私はオリンピック参加経験者でないため、実際にそのような契約がされているかどうかの真意は知らない)。

北島康介が「チョー気持ちー」と言ったことに対してバッシングがなかったことから、契約的にも、納税者的にも、そのような契約や価値観は無いものと考えることが出来る。また、先の投稿者は北島康介に対しても同じように発言するつもりなのであろうか。

もしも、もしもそのような契約を交わしているのであったとしたら、それは外野が文句を言うことではなく契約の当事者同士の問題である。納税者の私たちが文句を言うとすればその契約主であるJOCになるはずだ。


そして逆に質問したいのは、今この記事を読んでいたり、そもそものTwitterを見ている人達は「税金が投入され国が整備しているインフラを利用し、インターネットを通じて世界に情報を発信していることに対してその自覚を持ち、その責任を果たすつもりはあるのか」という事。

上の問題は「各国の代表選手」として個人的な感想を持つことに問題を投げかけているのではなく、「税金が投入されている選手」が個人的な感想を持つことに問題を投げかけている。

そうすれば、この税金が投入されている全ての事柄に対して、その甘受者は全てその責任があるはずだ。このTweetを行った投稿者も、その発言が世界中のインターネット接続者に伝わることを意識し、個人的な感想をもたず、全ては国のため、納税者のために行動しなければならない。

もし「納税している分のサービスを受けるのはあたり前だ」というわけのわからない論理を並べるのであれば、オリンピック選手はその活躍や、オリンピックに参加する、そもそもにオリンピックが存在するという結果からの経済活動における経済効果、納税率は他の一般国民からかなり離れた貢献度にあることは間違いがない。


また、リプライを行った後に投稿者の情報を見てみるとひどいことがわかった。

作家。昭和50年生。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。現在、慶應義塾大学法学部講師(憲法学)、平成18年『語られなかった皇族たちの真実』(小学館)で山本七平賞を受賞。その他近著に『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』(PHP新書、平成23年)など。

https://twitter.com/takenoma より。

これはひどいと言わざるを得ない。大学というのは国から助成金補助金を貰い、それらを大学運営の経費や研究費用としている。その国から国費(税金)を受け取っている大学の、その大学から給与や研究費をもらっている講師が「税金を使うのであれば個人的な感情をもつな」と言っているのだ。


しかも、しかも、しかもその大学は慶應義塾大学。ほぼ毎年に私立大学としてトップの補助金を配分されている慶應義塾大学の講師だ。

資料を探すと細かなものが多かったため、個人サイトにはなるがの「平成23年度科学研究費補助金ランキング」を見てもらえばわかりやすいと思う。

平成23年度には32億9590万円の補助金を受け取っている。しかもそれは大学側から補助金を申請したものが採択された額なので、他にもいろいろな額の補助金を申請しているはずだ。オリンピック選手は個人が私費でトレーニングを行い、その残した結果によりオリンピック選手に選抜され税金から補助をしてもらう。だが大学は逆に、補助をしてほしいから自分から補助金の申請をしているのだ。自ら税金を貰いに行っているようなものだ。


上の補助金は科学研究費になるため法学部とは直接的な関係はないが、その補助金で大学は結果を残し、その結果から大学運営がされているはずである。少なくとも、少なくは無い額の影響は受けている。

その国費を甘受している人間が、国費を受けた人間に対して感想を持つなというのは、大学講師自身がその業務内に置いて個人的な感情や感想を全て捨てて授業を行い、生徒に対して接し、最高の結果が残せるように全てを捧げているのであろうか。

もし自分は一切の税金補助を受けていないというのであったとしても、オリンピック選手に文句を言う前に、同じ事を科学研究を行なっている講師や教授、大学長に伝えるべきである。当人に届かぬメッセージより、同僚である大学内の当事者たちに伝えたほうが自分の手で影響を与えることが出来るはずだ。


このように世間では自分のことを棚にあげて、自分の気に食わない人間を様々な理由をこじつけて文句を言う風潮があるかと思う。文句を言う前にぜひ一度自分の身に置き換えて考えて欲しい。

決して私のようになってはいけない。ごめんなさい。


ちなみに竹田恒泰(著)の「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」は読んだかと思う。内容をあまり覚えていないので改めて読み返し、この著者の考えを理解し直そうかと思う。

日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか (PHP新書)

日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか (PHP新書)