ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

初歩からの数学 (放送大学教材) 隈部 正博(著)

私の数学知識は中学校程度になる。高校が工業高校であったために数学の授業内容は普通科の半分以下になり、そして、工業高校ということもあり数学も重要視されてこなかった。例えば微積分についても習ったことも聞いたこともなかった。

極めつけは、学生時代に親から「学校の勉強など何の役にも立たない」と言うガセネタを掴まされていたために勉強というものをせずにいた。授業を聞き、それを理解する程度で自ら進んで勉強をしてこなかった。

そんな知識の中本書を読んで思ったことは、高校数学というものは微積分のための数学というもの。例えば本テキストを参考にするなら最後は積分となり、その前に微分、その前が極限、数列、三角関数、関数、のように微積分のために順序立てて章が区切られている。

初歩からの数学 (放送大学教材)

初歩からの数学 (放送大学教材)


私は先に書いたように中学でしか数学の勉強をまともにしていない上に、その中学の内容も理解しているかといえば疑わしい。

本書は「初歩からの」とあるように、「数学」を最初から説明している。本書の最初の章も「数の概念」となり、次に「式と計算」、「有理数」、「実数」と数学以前の「算数」以前、「数」の説明から始まっている。

その「数」の説明から「微積分」を300ページのテキストで行っている為に少々ペースが早いが、内容は非常にわかりやすくちゃんと読めば理解が出来る。有理数無理数の違いすらも勘違いしていた私にも本書を読むことで微積分まである程度理解できた。もう一度読みなおすことで本書の範囲はきちんと理解できるだろう。

アマゾンのレビューを見ると「ふざけんなと思いました。全くわけが分かりません。」とあるが、この人はきちんと最初から理解をせずに進めていったのかと思われる。

先にも書いたように、微積分を理解するために順序だった内容となっているため途中で理解できないまま進めてしまうと次章以降の意味が全くわからなくなってしまう。私も所々意味がわからないと飛ばそうとしたが、次に進むと先の内容を使うために結局戻って理解しなければ進めることが出来なかった。


私のように初歩から数学を勉強したいと考えている方には、これ一冊で微積分の内容まで十分理解できる(あくまでも高校の範囲だが)。

放送大学のテキストとなるが、放送を見ずともきちんと理解できる。かく言う私も放送は一つも見ないで本書で勉強した。

いやぁ、本書に出会えてよかった。放送大学で今季に取った授業で唯一役に立ったものになる。