ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

消しゴムについて

先日に文房具屋さんで無能な会話を聞いたので今後同じ過ちを繰り返してほしくないと思い記事にしておく。

こんな会話。

消しゴムはMONOが一番。一番消しやすい。

MONOはトンボが作ってて、トンボは鉛筆を作ってるメーカだから素晴らしい消しゴムを作れる。他の鉛筆を作っていないメーカの消しゴムなんて消しゴムの形をしているだけ。最低でも国産を使うべき。

ウニのメーカも消しゴムを作ればいいのに。

笑みがこぼれていたかと思う。


これは男が女に博識をひけらかしたかったのかもしれないが、この会話の中にはいくつか間違いがある。その間違いを簡単に指摘しておく。この指摘は一般的な内容になるため、細かくは違う部分もある。

MONOはトンボが作ってない

まずトンボは消しゴムを作っていない。OEM製品だ。

もう少し細かく書くと、日本で一般的に販売されている消しゴムは日本字消工業会の会員企業によって作られ、会員ではない多くの消しゴム販売メーカはこれらの会員メーカからOEM供給を受けている。

日本字消工業会の会員ではないトンボは、シードより消しゴムの供給を受けている。これは簡単に調べる方法があるので後術する。

MONOは国産ではない

消しゴムのケースを見ればわかるが、現在のMONOはベトナム製になる。

これはMONOだけがベトナム製なのではなく、提供元のシードが生産拠点をベトナムに移したため、シード製の消しゴムはベトナム製となっている。

鉛筆を作っているメーカは消しゴムを作っていない

日本で有名な鉛筆メーカは三菱鉛筆とトンボになるが、双方ともに消しゴムは作っていない。これは先に書いたように、両メーカ共に日本字消工業会の会員メーカより消しゴムの提供を受けている。

トンボはシード、三菱鉛筆はヒノデワシから供給を受けている。ちなみに鉛筆は生産していないがPILOTはラビットから供給を受けている。

日本の鉛筆三大メーカになるとぺんてるも入るかと思うが、このぺんてるは消しゴムも自社生産している。

ウニじゃなくてユニ

実際には「ユニ」と言っていたのかもしれない。ちょっと笑ってたのでちゃんと聞けていなかったのかもしれない。これはどうでもいいが、先に書いたようにuniを作っている三菱鉛筆も消しゴムを販売しているが自社生産はしていない。



消しゴムについて興味がある人はあまり居ないと思うので、このような勘違いが広くあるのかもしれない。詳しくは日本字消工業会のWebサイトで確認して欲しい。

そして、先にこの日本字消工業会から供給を受けている消しゴムは判別できると書いたが、それは容易に識別できるようになっている。


http://www.jikeshi.gr.jp/image/top4.gif


消しゴムケースやパッケージにはこのようなマークがあるはずだ。この数字でメーカが判断できるようになっている。このマークは日本字消工業会の安全管理マークになり、製造したメーカのマークが表示されているので、OEM製品であればこのマークが製造メーカを表していることになる。

マークの最新情報はクリーンマークのページを見てもらいたい。

今現在では以下のようになっている。

番号 メーカ
01 株式会社シード
02 有限会社アミン
06 ヒノデワシ株式会社
07 株式会社ヤジマ
10 株式会社ヤマヤス
11 ラビット株式会社
13 ぺんてる株式会社

番号が飛び飛びなのは、会員に連続で付けられているもののそのメーカが脱退したことを表している。例えば03なら田口ゴム工業が入っていたはずだ。この番号を見る限りではぺんてるは消しゴムメーカとしては新参者になる。

注意して欲しいのは、シードやラビットと言うメーカを聞いたことはないかもしれないが、これらのメーカが消しゴムの製造メーカであり、シードのRadarやラビットのJUNKERが売られていてもそれらが粗悪品でないということだ。

シードのRadarとトンボに供給しているMONOが同じ製造ラインのものかどうかは知らないが、それほどまでに大きく性能が違うものではない。差があったとしても個人の好み程度のものだ。


f:id:mon0:20140911015335j:plain

ちなみに私はラビットのJUNKERが好きで使っていたのだが、最近は全く見かけなくなってしまったのでMONOを使っている。

筆箱を見たらMONOとRadarとシードの消しゴムが入っていた。

シード 消しゴム レーダー S-60

シード 消しゴム レーダー S-60

フォームイレーザー M ERF8

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