ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

なぜ体温計を買うのか

いやぁバカバカしい。体温計を買うバカがバカバカしい。

なぜ体温を知りたいのか。体温を測ってどうしたいのか。その体温がなんなのか。

昨日「鬱になりたい病気」を書いた。その中で体温を知ろうとすることに意味がないと書いた。

だがしかし世間では体温計はブームのようだ。私も過去に何度も「体温計」を持っていないことを疑問に思われたことがある。私は体温計を持ったことがない。きっと今後も持つことはないだろう。

テルモ 電子体温計 【スピード検温式 平均20秒】 C231

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そもそも体温計で何をするのか。まぁ体温を測るのだろう。過去に水銀計を見たことがあるが、目盛りは50度までもついていなかった。これでは温度計にはならない。名前の通り「体温」の範囲を前提に作れられいる。風呂の温度計程度にしかならないだろう。


ではなぜ体温を測るのか。体温を知りたいのか。

私が想像するに「錦の御旗」を手に入れたいからではないだろうか。体温が38度や39度もあればこっちのもの。体調に関係なくその体温があるだけで「自分は病気」、「安静にしていなければならない」という名目を手に入れたようなものだ。その体温を言いふらすだけで会社を休め心配してもらうことが出来る。

バカじゃないかと。しんどければしんどい。しんどくなければしんどくない。これは体調にのみ起因し体温は関係ない。私は熱がよく出る。今までに体温を計らされたことは幾度とあるが、39度ほどの熱が頻繁に出る。少なくとも年に2度以上は出る。理由は風邪などではなくアレルギーや怪我が原因だ。

花粉時期になれば肺が過剰反応で炎症を起こすので39度や40度の熱が続く。最初にこの症状が出た時は原因がわからなかったために1ヶ月以上も熱が出ていた。だがどうってことはない。風邪ではないので人に移すことはなく、何事もなく会社に行き仕事をしていた。体温が高かろうが低かろうがしんどければ休み、しんどくなければ行けばいい。


「体温が高いと風邪かもしれないので他人に移さないように薬を飲まなければならない」と言う馬鹿な話を聞いたこともある。コイツは医学知識が何もない上に、「自分は周りに気を使える人間ですよ」というのをアピールしたい馬鹿で、更には完全な勘違いをしているので危ない。

まず「体温が高い」からと言って風邪とは限らない。風邪であることのほうが少ないだろう。確かに風邪も炎症反応の一つと考えれば広義の炎症に含まれるかもしれないがここで言いたいのはそうではない。怪我をしても体温は上がる。筋肉痛や細菌性の炎症でも体温はあがる。とにかく人間の体は異常があれば何らかの方法で患部の体温を上げようとすることが多い。これを風邪と思い込むことは非常に危ない。

「風邪」の可能性があり、それを他人に移してはいけないと思うなら薬なんて飲まずに治るまで仕事を休むのが良い。例え薬を飲み体温が下がっているとしても菌は保有している。そんな状態で何事も無いかのように会社に行っては無尽蔵に菌をばらまいているだけだ。他人の迷惑を考えていない人間の行動だ。お前一人が休むことなんてどうでもよく、周りの人間を巻き込むことのほうが問題だ。

そして最も危ないのが「熱があれば解熱剤を飲む」と言う考えだ。これは最近の「家庭の医学」では最も普及した危険な考えだろう。人間の体は理由がなく行動を起こすことは基本的にない。何かしらの理由があるからその反応が起こるのだ。体温を上げるのも自浄作用という生体防御作用の中の浄化作用の一つだ。解熱剤を飲むということはその浄化作用を阻害することだ。自ら風邪が治りにくいようにしていることにほかならない。薬を飲むことで風邪菌を延命させ、更に別の菌への感染を促すことになる。

また、薬を飲むことは別の危険も生み出す。病院で出される薬などは抗生物質等も含まれていることがあるが、それを中途半端に飲むことは危険だ。私の周りでも、病院で出された薬を最後まで飲まずに「治ったから」と勝手に判断して薬を飲むことをやめてしまう。病院は「菌を壊滅」するために薬を出しているのであって、「風邪の症状を緩和する」ために出しているのではない。その菌を壊滅するためには症状が緩和した後も薬を飲み続ける必要があり、途中でやめてしまうと耐性菌を生み出すことへもつながってしまう。


このように体温計を持ち、体温を計ろうと考えている人間には知識がない人間が多いのは確かだろう。医学的知識を持たず、自分が行っている行動の危険性がわかっていない。

いやぁ、体温計が買えない。