ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

すごい「実行力」 石田 淳(著)

読んでから少し時間が経つ。読んですぐに感想を書かないところが「実行力」が足りていないところだろう。

だが本書はそんな実行力のない私にも「実行力」とは何か、「実行力」とはどうすればいいのかという点を解説してくれた。

巷に「やる技術」的な内容の本は氾濫しているが本書は一味違う。本書はきちんと脳科学、脳機能学、行動科学に基づいた内容が書かれている。精神論などではなく、たとえ精神論であったとしてもそれが脳科学や行動科学に裏打ちされた内容となっている。

すごい「実行力」 (知的生きかた文庫)

すごい「実行力」 (知的生きかた文庫)


正直な所本書に書かれた内容に目新しい物はないだろう。それほど当たり前に言われていることが書かれている。だが、それは「一般論」として、「著者の考え、経験」として書かれているのではなく、きちんと科学的な根拠を元に書かれている。

今までに「これはうまくいかない」と経験したことがあったとしても、本書を読みその効能を再確認して欲しい。それが失敗した理由は、あたながその行動について「どうせうまくいかない」というレッテルを貼ってしまっていたか、そもそもやり方がまずかった結果だろう。本書はそのやり方を解説している。もう一度本書を読み再確認し、それを実行して欲しい。そうすればうまくいくはずだ。

人間はどうしても根拠がないことを疑ってしまう。人に言われたことをすんなりと信じこんで実行する人が少ない。それが人間の防御本能だ。人に言われたことを信じていてはすぐに宗教に騙されてしまう。幸せになる壺を買わされてしまう。だからこそ人に言われたことをすんなり信じることが出来ない。

だが「統計という嘘」をすぐに信じ、科学的根拠があると言われればそれを信じてしまう。その根拠や出典が正しいか確認せずに簡単に信じてしまう。それ程に科学や統計信仰がある。それが馬鹿なことだとさんざん書いてきたが、そんな人たちは本書を是非読んで欲しい。根拠が書かれており、きっとすんなりと信じることが出来るはずだ。

私が言うのだから間違いない。


久々になかなか面白い本だった。