ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

あなたを天才にするスマートノート 岡田 斗司夫(著)

岡田斗司夫と言う人の話は何度か聞いたことが有るが、果たしてこの人が天才なのか。

いや、私が見た内容では決して天才ではないし、そもそもにあまり頭が良いとは思えなかった。特定の面だけを見てコレを決めるのは良くないが、私が見た限りでは、先入観や思い込み、偏見が激しく、自分の意見が正しく他の人の意見を理解するのではなく、相手を馬鹿にして言い負かそうとしているように見えた。

と、岡田斗司夫をこのように感じていたので、その著者が「天才にする」とはどのような了見で言っているのかと思い手に取った。

 

あなたを天才にするスマートノート

あなたを天才にするスマートノート

 

 

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確かに人に教えることとそれを実践することは違うが、本書を読んでもその「教える」ことに向いているとも思えなかった。


まず、人に物事を教えるにはその根拠は必要である。自分が実践できていないことに対してそれは尚更必要である。だが、本書で通説を引用しているのは「○○と言われています」など、流布をそのまま信じこみ広げているようなものとなっている。全く根拠が示されていない。

いくつか納得できる部分はあったが、それも同じように通説として言われているようなもので、結局それも根拠の有るものではなかった。

そのように根拠がない方法で「コレをすれば天才に成る」と言う事自体が、著者が天才とは程遠いという証明にもなろう。

 

内容としては単に「ノートに書く習慣をつける」と言うものに固着しており、特段に変わったものではない。

本書内でいくつかノート術の書かれた書籍を批判しているが、本書は比較広告的な内容であるし、私が読んだそれらの書籍よりも内容としては根拠がなく実践的な内容でもない。

著者は前著の「レコーディング・ダイエット」と言う書籍が売れたことで、私の方法が「正しく」、「一般人にも受け入れられている」としている。そしてその本が売れたことを証明として、著者の考えが正しいという根拠にしているのだが、どのような思考からそうなるかは私には理解が難しい。

 

以前に小飼弾の書籍を引用したがまさにコレに当たるだろう。

本のことをよく知らない人は、ベストセラーとは優れた本のことだと思っています。ところがこれは誤解です。確かに優れた本がベストセラーになることも10年に1度程度はあります。しかし、逆もまた真なりは成り立たない。なぜなら現代におけるベストセラーとは、本を普段買わない人がたまたま購入に至った本のことだからです。


本を読んだら、自分を読めより引用

 

世間的に考えても岡田斗司夫よりも小飼弾の方が頭がいいように思えるかと思うが、その上の人間が注意すべき勘違いとしていることをまさにしてしまっている。

これがこの著者の限界なのであろう。