ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

日本一のプロ秘書はなぜ「この気遣い」を大事にするのか? 中村 由美(著)

すばらしい。

本書は秘書や秘書を目指している方ではなく、営業や接客業などお客さんと接する全ての人に読んで欲しい。そして、上司を持つサラリーマン全てに読んで欲しい。

本書はそれらの人々がお客さんや上司と接するときに考えるべき事柄が書かれている。私も実践しているものもあれば、過去に経験はしたものの実践していないもの、気がついていなかったものまでもが記載されており非常に勉強になった。

私もこのような気遣いの出来る人間になっていきたい。

日本一のプロ秘書はなぜ「この気遣い」を大事にするのか?

日本一のプロ秘書はなぜ「この気遣い」を大事にするのか?


本書には世間では「常識」とされていることまでに疑問を呈し、その理由がきちんと著者の考えが著者の言葉で記載されている。単に疑問を書くだけではなく、考えとその理由を書くことこそも気遣いなのだ。読者に考えてもらう必要があるが、それを考えられない人のためにもその理由の一例を解説しておく必要がある。

こんなことも考えさせてくれた書籍になる。


私はよく人に「そんくらい自分で考えろ」と言い続けているが、本当にバカな人もいて自分では考えられない人がいる。だがそれは決して悪いことではない。十人十色。その人に考えられて私に考えられないことも多々ある。それがバランスなのだ。
だからこそ自分のことも考えて一例を出しておくべきだと思えた。「考えろ」と切り捨てるのではなく、相手に合わせて一例を与えることも大事になる。

本筋とはそれているが、本書を読みながら色々なことが考えさせられた。読みながら読者に考えさせる書籍がいい本だと考えている。まさに本書はいい本だ。

P26.
雨の日にも雪の日にも来客はあります。そんなとき、ハンカチで濡れた肩を払うお客様を見ながら「お足元の悪いなかお越しいただいて……」と頭を下げるのは、ただの自己満足。
プロの秘書ならお名前を聞くより先に「よろしければ、タオルをお使いください」と、清潔なタオルを差し出します。杓子定規な丁寧さより、「お客様が本当にしてほしいことは何か」を考えるのです。

これは多くの人に経験があると思う。受付でどれだけ丁寧な対応をされたとしても何か手伝ってもらえたほうが助かる。いくら丁寧な言葉があったとしてもそれに行動が伴っていなければ何の感謝もない。単なるセリフとしか受け取ることができない。
どれだけ丁寧な言葉使いをされてもほとんど記憶に残ることはないが、ちょっとした気遣いをされたことは記憶に残る。仕事先を考えた時に思い浮かぶのはそう言った人たちから順に思い浮かんでいくかと思う。

企業研修やマナー本には言葉遣いばかりで「考えて行動しろ」とは書かれていない。マニュアルを提供し、そのマニュアルの通りにやっていれば間違いない。と押し売りしているのだ。
確かに「考えて行動しろ」と書かれているマニュアルには内容がなく売れないのかもしれない。自分で考えることを放棄し、マニュアルに書かれていることだけを実践しようとしている人ばかりなのかと思う。


本書を読み是非とも「気遣い」を学んで欲しい。企業研修のテキストとしても使える内容かと思う。私がマナー本を勧めるとすれば現在は本書をお勧めしたい。

日本一のプロ秘書はなぜ「この気遣い」を大事にするのか?

日本一のプロ秘書はなぜ「この気遣い」を大事にするのか?

日本一秘書の気配り力 (祥伝社黄金文庫)

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「誰のため」が「自分のため」につながる ~“日本一の秘書

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