ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

マンガ はじめましてファインマン先生 リーランド・マイリック(著), ジム・オッタヴィアニ(原著), 大貫 昌子(翻訳)

本書は少々微妙な内容になる。

「ご冗談でしょう、ファインマンさん」や「困ります、ファインマンさん」のようなファイマンの著書を読んだ人がファイマンの生い立ちを年表より詳しく知るために本書を読むと面白いかもしれないが、ファイマンのことを知りたいと思って読むとわけがわからないかと思う。

かく言う私も漫画の内容は殆ど理解が出来なかった。時系列でファイマンがどのように研究対象を移していったかは分かったが、ファイマンの心境の変化などは全くと言っていいほど理解することが出来なかった。

漫画としても、日本人には見慣れない表現方法が多いためか理解の手助けをするどころか逆に理解を苦しめることになってしまっている。内容が連続的ではないということも、また翻訳が吹き出しの大きさに合わせないといけないという制限もあり、話についていくことが出来なかった。漫画のコマを読む順番が間違っているのではないかと途中で何度も思ったほどになる。

マンガ はじめましてファインマン先生 (ブルーバックス)

マンガ はじめましてファインマン先生 (ブルーバックス)


ファイマンのことを知ろうとしてまず本書を読もうと思っているのであれば私はそれをオススメしない。先に「ご冗談でしょう、ファインマンさん」等のファイマンの著書をいくつか読み、その後にファイマンの背景として本書を読むことをおすすめしたい。

ファイマンの著書を読むことなく本書を読んだ方の感想は正直私には分からないが、本書だけでは結局のところファイマンが何をしたのか、どのようにすごい人物なのかということが理解できないかと感じる。NASAでの研究や原爆開発など、その職業の偉大さは分かったとしても、それはファイマンの偉大さを知ることにはならない。


是非ともファイマンの著書を読んだ後に本書を読んで欲しい。

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)

困ります、ファインマンさん (岩波現代文庫)

困ります、ファインマンさん (岩波現代文庫)

物理法則はいかにして発見されたか (岩波現代文庫―学術)

物理法則はいかにして発見されたか (岩波現代文庫―学術)