ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

Joel on Software Joel Spolsky(著), 青木 靖(翻訳) Joel Spolsky(著), 青木 靖(翻訳)

おもしろい。ねぇ面白いよこの本。

著者のジョエルス・ポルスキはプログラマMicrosoftExcelチームプログラムマネージャとしてやJunoで働き、現在はFog Creek Softwareを経営している第一線のプログラマである。

そのジョエルがMicrosoftやJunoで働いていたいた時の「不味い」経験や「不味い」習慣を書籍にまとめたものが本書になる。ブログとして公開していたものを修正加筆しているものなのでブログを読めば原文を読むことができるが、後日談なども追加されており、情報もまとめられているため書籍が読みやすいかと思う。

Joel on Software

Joel on Software


私が本書を購入した動機は、たまたま本書を手に取り開いたのが以下のページであったからだ。

P33.
私の前の職場では、サーバのハードディスク使用量が─なんと─220MBを超えているという苦情が書かれたスパムを、システム管理者が自動送信で送り続けていた。私は近頃のハードディスク相場からすると、そのディスクスペースの値段は私の使っているトイレットペーパーのコストよりもずっと安いことを指摘した。ディレクトリを掃除するために私が使う時間が10分であっても、それはとんでもない生産性の浪費という事になるだろう。


これはすばらしい。私もこれをひどく実感していた。当時の職場では、年間5000円の予算を削るためにメールボックスの容量がひどく小さかった(30MBであったと記憶している)。これはデザイナからデザインデータがメールで添付されてきた瞬間にメールボックスのフローを意味し、デザイナから電話にて「メールが送れない」と何度も電話を貰うハメになっていた。

そもそもそのデザイナとはそのサーバの決済権を持つ上長であり、私は何度もメールサーバのアップグレードを望んだがその決済を受けることはかなわなかった。なぜならそうだろう。デザイナはメールでデザインをおくることはあっても、デザインを受信することはないのだから。


この一ページを読んだだけでも面白く、他の章についても読み物として面白い。プログラマ以外でも、プログラマの同僚がいる方々にも読んで欲しい。プログラマの邪魔になる行動がわかり、さらにはプログラマをどう扱えばいいかもわかるはずである。

先の上長も、私の意見を受け入れ、私の日当分以下の費用を支払ってメールボックスをアップグレードすれば、電話代や1年間で数日に渡ってであろう作業の停止期間を防止できたはずだ。


全体が西暦2000年当たりの記事になるため少々古い内容にはなるが、プログラミング技術の解説もいくつかあり、その部分だけでもプログラマとしては面白いかと思う。

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