ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

強迫性障害に悩む人の気持ちがわかる本 原井 宏明(監修)

先から書いている「OCD」について読んだ2冊目の書籍だ。

患者たちのサポートグループ「OCDの会」が出している感想文集がベースに為っているということなので、基本的には「こんな症状がある」、「こんな症状に苦しめられた」、「患者にはこんな考えがある」、「こんなことをしてしまう」などという患者の告白がベースになっている。

強迫性障害に悩む人の気持ちがわかる本 (こころライブラリーイラスト版)

強迫性障害に悩む人の気持ちがわかる本 (こころライブラリーイラスト版)


患者たちの感想文集なので治療や医学的根拠についてはほとんど書かれていない。

だが逆に中途半端に書くよりは本書のように患者目線の書籍があると助かることも多いだろう。OCDの患者を持つ家族や、OCDの患者を受け持つことになった教師、更には親類や友達など、なぜ当事者がその行為をしてしまうのか、それを理解しておくことが重要になる。

いわゆる健常者からすれば私のようなOCD患者の行動は理解できないだろう。それはそうだ。私自身、OCDの患者自身もなぜそれを繰り返してしまうのか理解が出来ない。だからこそ強迫観念、強迫行為なのだ。

そのように本人すら理解できていないことを周りの人間は認識し、その行為を行うことを理解しなければ付き合っていくことは難しい。

無理に理解しろということはないが、OCD患者は2%程度と自分の身の回りにもいるレベルの数なので、是非とも本書を読みあなたの周りにもOCD患者が居ないか考えて欲しい。そして、もしいるのであればそれが決して「ふざけている」わけではないということを理解して欲しい。

私も家を出るのには30分近くかかる。こんなバカバカしいことはない。私自身もバカバカしいと思い決してふざけているわけではない。戸締まりや火元が心配でならないのだ。だからこそ何十回も確認してしまう。自分が心配でならないので、是非とも人に確認してもらい安心感が欲しいのだ。

これがわかっていると、あなたも一緒に確認して戸締まりをするなど時間の短縮と協力することもできるだろう。そんな簡単なことがOCD患者の手助けになるのだ。