コレクターの目的がわからない
私の周りにも多くのコレクターがいる。フィギアだったりミッキーだったり、古い皿だったり腕時計だったり。
だがそれらの人を観察して思うのは「何を目的としているのかわからない」と言う事。
単純になんのために集めているのか、何を目的としているのか、集めてどうするのかがわからない。
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例えば前の記事にも書いたが万年筆を集めている人がいる。
万年筆を集めてどうするというのだろうか。100本もあればすべてを使ってはいないだろう。集めているという事は自分である程度のメンテナンスもしているのかと思うが、万年筆のメンテナンスとしてよく言われるのが「使うこと」だ。
万年筆は使い、書くことでインクが流れインクの固着や癒着での劣化を防いでくれる。だが100本もあればそれらを使うことは大変だ。2週間に一回1000文字書くとしても、100本もあれば1日に7本は使わなければならない。7000文字を無意味にメンテナンスのために毎日書くのは大変だ。
そして、そんな大変なことをなぜ実用的でないことのためにしなければならないのか。
実用品というのは使うから意味がある、使うことに意味があるのだ。いくら実用可能なものであっても使わなければ意味がない。使わないのなら使えないのと同じ、使わないものはゴミと同じではないだろうか。ゴミをメンテナンスし続け、インクを捨て続けることは無駄以外の何者でもない。
また、腕時計はその無駄の顕著なものかもしれない。例えばこれも100本の腕時計をコレクションしているとする。
大体腕時計は5年毎にメーカにメンテナンスに出すことが推奨されている。これはグリスの再充填や故障前の不具合の診断、劣化部品(パッキンなど)の交換など、補修も含めたメンテナンス(オーバーホール)である。
例えばSEIKOを例に出すと、クォーツなら5000円、ソーラークォーツなら1万円、機械式なら5万円程度のメンテナンス費用がかかる(スプリングドライブはメンテナンスに出したことがないため不明)。クォーツやソーラークォーツなら電池交換もセットで行なってくれるので電池寿命を考えても大体5年ほどとなる。
これを踏まえてそれぞれ35本づつ所持していると考えると、5年間で227万5000円となり、毎年45万5000円のメンテナンス費用がかかることになる。100本所持しているとして、すべて均等に使うとするとそれぞれ年に4回も使わないことになる。機械式であれば使うたびにゼンマイが切れている。
そして、1日に1250円弱のメンテナンス費用がかかることになるので、毎日時計をするたびにその時計に対して1250円の価値が償却されていことになる。
これは無駄の極みだ。メンテナンス費用が高額だからという理由でメンテナンスに出さないのであれば故障の可能性が上がり、時計としての価値がなくなり実用品ではなくなってしまう。それは時計ではなくブレスレットだ。
こういった機械ではなく古い皿であればメンテナンスコストは日光に当てるくらいで住むかもしれないが、だが置いておくだけでもコストがかかる。物を保存しておくコストだ。3坪の倉庫を用意したとしても、その3坪の土地がいくらほどか計算しなければならない。
こういった金銭的コストが無駄にかかるから私はコレクタの心理がわからないわけではない。例えば古い皿であれば、数枚は飾ってあとは倉庫にしまい込んでおくだろ。フィギアならどこかに飾ってホコリをかぶっているだろう。日常的に飾っているものを人間は盲点としてみなくなるので、どれだけ好きなものでも常に飾っておくことに意味はない。
コレクションの対象を後世に伝えていきたいというのであれば100アイテムの保存では無意味だ。それを購入する費用をより熱心なコレクタに寄付したほうがより価値のあるものがより最適な環境で保存される。
個人が中途半端に集めているものにコレクション的価値はほとんどない。価値があるものがあればその価値がきちんと評価され、保存される場所に寄贈するのが正しい保管方法になる。
実際、私の知り合いにフィギアを集めており専用のガラスケースに飾るためにマンションの一部屋を使っている一がいる。だが、新しいものを追加する以外にその部屋に入ることはないという。これは「購入すること」が目的となっており、その対象への興味はもうないのではないであろうか。本当に好きであれば毎日その部屋にいるのではないだろうか。
このように、コレクタがなぜそれをコレクションしようとしているのかが私にはわからない。使わないものはいらないし、いらないものはゴミでしかない。古い皿を集めても、万年筆を集めても、腕時計を集めても、あなたが死ねばそれは捨てられるか格安でリサイクルショップに売りに出されるだけだ。
私はコレクタを批判したいわけではない、コレクションしようとしている理由があるのであれば、その目的にきちんとあったコレクションをして欲しい。
万年筆であれば気に入った数本を手元に置いて使うのが最高の方法ではないだろうか。増やしてもいいが、使用頻度が少なくなれば、その価値がわかる人間に譲ればいい。
例えば私も腕時計は数本持っているがどれも使途が違う。だからこそどれも少なくともどれも週に一度は使う。使わなくなってものは綺麗なうちに人にあげてしまう。
もったいないからととっておくことはゴミをお金をかけて保管しているようなものだ。所詮いつかは捨てられるのだから今捨てたほうがいい。
うーん。私もなにか集めてみればコレクタの心理に近づけるのかな。CPUでも集めてみようかな。
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