ゴミ箱の中のメモ帳

まだ見ぬ息子たちへ綴る手記

パーカー 75を川口明弘に調整を出した結果

今までは万年筆では図形か日本語を多く書き、たまにローマ字の活字体を書く程度であった。だが「英語の筆記体を勉強する」の通り英語の筆記体を書き始めると、今まで利用していたパーカー 75で不具合が出始めた。

万年筆は使い手の筆記環境に合わせて変化するというが、親父で三十年(予想)、私で十年と日本語を書き続けると万年筆が日本語の筆記環境に合わせて変化したのかも知れない。英語の筆記体を書くと少々文字がかすれることがある。英語の筆記体は筆記速度が早いがインクフローがその速度についていけないようだ。

暫くつかえば変わるかもと思っていたのだが、先にも書いたように数十年前の万年筆と古いものになるのでメンテナンスも含めて調整に出すことにした。

近所には「マツヤ万年筆病院」があるのだが、「調整の専門業者」ではなく基本的には「小売店」になるのであまり迷惑をかけないようにと「調整の専門家」にメンテナンスを依頼することにした。

そして今ではこの判断を後悔している。やはり「愛用品」のメンテナンスは「専門」で無かったとしても身の回りの信頼できる業者に出すのが一番だ。そうすれば調整しつつ試し書きをして調整具合を確認できる。目の前で調整してもらえるために荒いことはされない。


この様な感想を持つことになった調整に出したパーカー 75がこちら。

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調整後にペン先に大きな傷がついたにもかかわらず。ペンポイントも欠けている。調整を依頼した内容が「インクフローの改善と清掃」であったためにインクフローの改善としてペン先を広げたのかと思うがやり方が少々荒い。

この動画の18秒からの調整方法でペン先を広げたのかと思うが、そのスペーサを挿し込む際にペン先に傷を与え、さらには細字のペン先を欠けさせたのかと思う。


このメンテナンスに出したおかげで確かにインクフローは改善された元には戻らない傷と、取り返しのつかないペン先の欠けが発生してしまった。これは川口明弘さんが全面的に悪いのではない。私はこのような広げ方をする人だと知っておきながらインクフローの改善を依頼した。そして、郵送依頼という自分の目の届かない所に送ってしまったのだ。

川口明弘さんはセーラー時代に何万本もの万年筆を調整された方なので腕は確かかと思う。そして、今回の私のような傷や欠けが怒ることも極稀かも知れない。だがしかし、このようなことが発生したのは確かだ。
川口明弘さんにクレームを出すつもりはないが、この様な事案があったという事を記録に残しておく必要があるかと思いこの記事を書いておく。

このペンは親父が昨年亡くなった祖父に買ってもらったものだ。それを私が貰い使っている。そんなものを通信販売形式のメンテナンスに出した私が全面的に悪い。


ペン先の欠けはどうしようもないが、今年も長崎にパイロットのペンクリニックが来る機会にパイロットのペンドクターに直接調整をしてもらおうと思う。目の前で作業をしてもらうという安心感に変えられるものはない。

オート 万年筆F-スピリット FF-10Fゴールド

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パイロット 万年筆 コクーン チタン 細字 FCO-3SR-TI-F

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