オープンソースソフトウェアの育て方 Karl Fogel(著), 高木 正弘(翻訳), 高岡 芳成(翻訳)
昨日に「プログラマを目指す君へ」を書き、その中で「コミュニティに参加する」ことを推奨した。本書はそのコミュニティがどのように作られ運営されているかという書籍だ。
本書はもちろん「一人から」コミュニティを立ち上げる事を書かれているが、逆に、コミュニティに参加する側の注意点としても参考になる。どのような目的でどのように運営されているかを知ることで、やってはいけないことや、自分がどのように立ち振る舞えばいいかわかる。先の記事に書いた、参加の流れについても本書を読めばより詳しく理解できるだろう。
- 作者: Karl Fogel,高木正弘,高岡芳成
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2009/07/27
- メディア: 大型本
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オライリーからコミュニティ運営については本書「オープンソースソフトウェアの育て方」と「アート・オブ・コミュニティー」が販売されているが、本書は一人や極数人と行った小規模のコミュニティを一から構築し、ソフトウェア、コミュニティをどのように育てていくかが書かれているが、「アート・オブ・コミュニティー」はより大規模な数百人や数千人と言う規模、はては数万人というコミュニティを運営するノウハウになる。「アート・オブ・コミュニティー」については次の記事に書こうかと思う。
これもそれぞれの著者からわかることで、本書の著者である「Karl Fogel」は元CVSのメンテナで、Subversionの製作者である。本書の執筆時点(原書)でSubversionのフルコミッターは33名、部分コミッター43名と76人という規模をベースに書かれている。だが「アート・オブ・コミュニティー」の著者である「Jono Bacon」はCanonicalのUbuntuコミュニティマネージャを務めるという数千人、数万人規模のコミュニティをまとめあげている人間だ。
それぞれの経験から、本書ではまず「利用されるソフトウェア」に成長させるためのコミュニティの立ち上げ、運営のノウハウが書かれており、「アート・オブ・コミュニティー」では、それより先の評議会が存在するような大規模なコミュニティ運営の視点で書かれている。
本書はフリーソフトウェアやオープンソースソフトウェアを制作している全ての人に読んで欲しい。そして、それらを使い、よりよいものにしたいと思っているコミュニティメンバーや、将来のコミュニティメンバーに読んで欲しい。本書を読めばそのコミュニティの素晴らしさがわかるはずだ。
そして今まで何気なしに質問していた事を悔やむかもしれない。あなたが何気なしにしていた質問が、コミュニティメンバーにどれだけ負担をかけていたのか。だがそれを悔やむことはない。あなたがそれに気づけたということは、もうあなたは立派なメンバーだ。同じような経験をしている人々に同じヒントを与えればいい。コミュニティはそれを歓迎する。
本書は素晴らしい。
昨日たまたま先の記事を書いたことで本書を読んだが、コミュニティの素晴らしさを再確認できた。わたしもまた、新たなコミュニティに参加し、自分でもコミュニティを運営していきたい。
全てのコミュにて活動に感謝を込めて。
アート・オブ・コミュニティ ―「貢献したい気持ち」を繋げて成果を導くには (THEORY/IN/PRACTICE)
- 作者: Jono Bacon,渋川よしき
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2011/05/26
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フリーソフトウェアと自由な社会 ―Richard M. Stallmanエッセイ集
- 作者: リチャード・M・ストールマン,Richard M. Stallman,長尾高弘
- 出版社/メーカー: アスキー
- 発売日: 2003/05/06
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なぜ、Linuxなのか?―フリーソフトウェアムーブメントの挑戦
- 作者: ピーターウェイナー,Peter Wayner,星睦
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- 出版社/メーカー: ナウオンメディア
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